化石の形・産出層・周囲の岩石を観察しよう
このレッスンの役割
このレッスンは「化石が示す過去の生物」6レッスンの2番目です。前のレッスンでは、化石から直接見える事実と推定を分けました。ここでは、化石を資料として記録する手順を身につけます。
完成の目安は、形・大きさ・向き・個数・見つかった地層・周囲の岩石を事実として記録し、その記録を根拠に生活場所や運ばれ方の可能性を考えられることです。
知る・理解する
化石の観察では、化石だけを拡大して終わりにしません。次の項目を同じ記録にまとめます。
- 形:殻の巻き方、葉脈、歯の先、骨の関節など
- 大きさ:ものさしや縮尺とともに記録
- 向き・並び:同じ向きか、ばらばらか、連続しているか
- 個数:一個だけか、多数集まるか
- 産出層:どの地層のどの位置か
- 周囲の岩石:粒の大きさ、しま模様など
写真に縮尺がなければ実際の大きさは決められません。また、破片だけで全身の形を断定しないようにします。観察記録は、別の人が同じ資料を見て確かめられる言葉で書きます。
周囲の岩石は、化石が残った環境を考える手がかりです。細かい泥が積もった泥岩と、粒の大きなれき岩では、水の動きや運ばれ方が違った可能性があります。ただし、岩石一つだけで環境を断定せず、化石や地層の構造と合わせます。
具体例で使う
泥岩の層から、長さ4cmの二枚貝の化石が30個、ほぼ同じ向きで見つかったとします。
観察事実は「二枚貝に似た殻」「長さ約4cm」「30個」「同じ泥岩層」「ほぼ同じ向き」です。同じ向きにそろうことから、水流で向きがそろった可能性を考えられます。多数あることから、その場所に多く生息した可能性もありますが、別の場所から集められた可能性を除くには、殻の破損や地層の構造も見ます。
「海の貝に似るから、この地層は海でできた可能性がある」と推定できますが、現在その場所が山中でも矛盾しません。地層ができた後に大地が隆起した可能性があります。
誤答を直して次の学びへつなげる
「写真で大きく見えるから巨大な貝」は、縮尺を見ていません。写真の拡大率と実物の大きさを区別します。
「海の生物の化石が山で見つかったので、その生物は山に住んだ」は、化石ができた時点と現在の地形を混同しています。地層形成後の隆起も考えます。
「二枚貝が30個あるので、必ずその場に30個生息した」は、運搬の可能性を無視します。向き、破損、岩石、地層を合わせて判断します。
次は、生物の死から埋没・保存・隆起・侵食・発見までを時間順に並べ、なぜ化石記録が完全ではないかを理解します。
自分で確かめよう
確認1:化石写真の実際の大きさを知るために必要なものは?
ものさしやスケールバーなどの縮尺です。確認2:同じ向きの貝化石が多数あるとき、何を推定できる?
水流で向きがそろった可能性などを考えられます。ただし、運搬や生息場所の判断には他の証拠も必要です。確認3:海の化石が現在の山で見つかるのはなぜありうる?
海底で地層ができた後、大地が隆起して現在は山になった可能性があるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。