LESSON 01

環境変化と絶滅

個体の死と種の絶滅を区別しよう

「環境変化と絶滅」第1段階。個体の死・地域個体群の消失・種の絶滅を区別します。

個体の死と種の絶滅を区別しよう

このレッスンの役割

このレッスンは「環境変化と絶滅」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、系統樹から共通祖先と枝分かれを読みました。ここでは、一本の枝が途絶える「絶滅」を、個体の死や一地域からの消失と区別します。

完成の目安は、個体・個体群・種の三つの範囲を使い分け、どの資料があれば絶滅と判断できるかを説明できることです。

知る・理解する

生物の一個体には寿命があり、やがて死にます。しかし、同じ種の別の個体が子を残せば、その種は続きます。種の絶滅とは、その種に属する繁殖可能な個体が地球上からいなくなり、次の世代が生まれなくなることです。

できごと 対象の範囲 その種は続くか
個体の死 一匹・一本 他個体が繁殖すれば続く
地域個体群の消失 一つの湖や島など 別地域にいれば続く
種の絶滅 地球上のその種全体 続かない

個体、地域個体群、種の三つの範囲一個体の死、島Aの個体群消失、島Aと島Bを含む種全体の絶滅を、範囲の広がりで区別する。どの範囲からいなくなったかを確かめる一個体死んでも種は続く地域個体群島Aから消失島Bにいれば種は続く種全体すべての地域で繁殖個体が0絶滅

野外調査で見つからなかっただけでは、すぐ絶滅とは断定できません。別の場所に残っている、数が少なく見つけにくい、季節によって現れない可能性があるからです。調査範囲、期間、繁殖の有無を確かめます。

具体例で使う

あるカエルが池Aで0匹になりました。しかし、池Bで成体40匹と卵が確認されています。この場合、池Aの地域個体群は消失したといえますが、種全体は絶滅していません。

反対に、過去30年間、以前の全生息地を繰り返し調べても個体が見つからず、飼育下にも繁殖可能な個体がいないなら、絶滅と判断する証拠が強くなります。

絶滅を理解するときは「何匹死んだか」だけでなく、「次の世代を作れる個体が、どの範囲に残っているか」を見ます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「最後に観察した一匹が死んだので絶滅した」は、その一匹が本当に最後かを確認していません。

「日本からいなくなったので地球上から絶滅した」も、地域と世界の範囲を混同しています。

次は、地層に含まれる化石の出現と消失を時間順に読み、過去の生物がいつまで存在したと考えられるかを調べます。

自分で確かめよう

確認1:個体の死と種の絶滅の違いは?個体の死は一個体の生命の終わりで、種の絶滅はその種の繁殖可能な個体が地球上からいなくなることです。
確認2:島Aから消えても島Bに繁殖個体がいる場合は絶滅?種全体の絶滅ではなく、島Aの地域個体群の消失です。
確認3:一度の調査で見つからないだけでは絶滅を断定できないのはなぜ?別地域にいる、数が少ない、季節で姿を見せないなど、未発見の可能性が残るからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。