LESSON 01

脊椎動物の変遷

化石の年代から脊椎動物の登場順をつかもう

「脊椎動物の変遷」第1段階。化石の年代から代表的な特徴の登場順を読みます。

化石の年代から脊椎動物の登場順をつかもう

このレッスンの役割

このレッスンは「脊椎動物の変遷」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、現在の動物の呼吸・体表・卵などを比べ、生息環境との関係を説明しました。ここからは化石の年代を加え、「どのような特徴をもつ脊椎動物が、どの順に現れたか」を考えます。

完成の目安は、化石の古い・新しいを使って主な仲間の登場順を読み、登場順を優劣や直接の親子関係と混同せずに説明できることです。

知る・理解する

化石は、過去に生物が存在した証拠です。地層の年代が分かれば、その化石を残した生物が少なくともその時代には存在したと判断できます。古い地層からは魚類に共通する特徴をもつ脊椎動物が見つかり、その後の地層から両生類、は虫類に共通する特徴をもつ動物が見つかります。さらに、古いは虫類の系統から枝分かれしたと考えられる哺乳類や鳥類につながる化石が現れます。

ここで読むのは「代表的な特徴をもつ動物が化石記録に現れる順」です。現在の魚類が現在の両生類へ変わり、現在の両生類が現在のは虫類へ変わった、という意味ではありません。現在の各グループは、それぞれ長い時間を経て今まで続いてきた系統です。

脊椎動物の化石記録と枝分かれ古い側に魚類に共通する特徴、その後に両生類、は虫類に共通する特徴が現れ、古いは虫類の系統から哺乳類や鳥類につながる枝が分かれる。現在の仲間同士を直接の親子にはしない。時間は左から右へ 仲間は枝分かれして続く古い新しい魚類に共通する特徴両生類に共通する特徴は虫類に共通する特徴哺乳類につながる系統鳥類につながる系統枝分かれの図は、現在の仲間を一直線の階段にしない

化石記録には空白があります。生物が死んでも多くは分解され、化石になりません。化石がまだ見つかっていないことだけで、その時代に絶対いなかったとは言い切れません。したがって、登場時期は「現在見つかっている証拠の範囲」で考えます。

具体例で使う

地層A・B・Cは、Aが最も古く、Cが最も新しいとします。Aからえらとひれをもつ脊椎動物、Bから四肢と肺をもちつつ水中生活にも関係する脊椎動物、Cから乾燥を抑える体表と殻のある卵をもつ脊椎動物の化石が見つかりました。

この資料からは、水中生活に強く関係する特徴、陸上も利用できる特徴、陸上での乾燥や繁殖に対応する特徴の順に化石が現れたと読めます。前のセクションで学んだ「構造→働き→環境」を、今度は時間軸へ並べたのです。

ただし、Aの化石種がBの化石種の直接の祖先で、BがCの直接の祖先だとまでは言えません。登場順を示す証拠と、直接の祖先関係を示す証拠は同じではないからです。

誤答を直して次の学びへつなげる

「古い魚類は下等で、新しい哺乳類は上等」は誤りです。進化は決められたゴールへ上る階段ではありません。現在まで続く魚類も、今の環境の中で生きている現代の生物です。

「魚類の化石が先なので、現在の魚が現在のカエルの親」は、登場順と直接の祖先関係を混同しています。言えるのは、魚類に共通する特徴をもつ脊椎動物が、両生類に共通する特徴をもつものより古い地層から見つかることです。

次は、年代だけでなく骨格と生活環境の手がかりも同じ表にそろえます。化石に複数の特徴が同居するとき、変遷を考える証拠が強くなります。

自分で確かめよう

確認1:化石の年代から直接分かることは?その特徴をもつ生物が、少なくともその時代には存在したことです。
確認2:現在の魚類が現在の両生類へ変わったと言ってよい?言えません。現在の仲間同士ではなく、共通祖先から枝分かれした別の系統として考えます。
確認3:化石が見つからない時代には、その生物が絶対いなかった?言い切れません。化石にならない、残らない、まだ発見されていない可能性があるためです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。