植物が陸上で直面する四つの条件をつかもう
このレッスンの役割
このレッスンは「植物の進化と陸上生活」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、脊椎動物の化石と体のつくりから水中・陸上生活への変遷を考えました。ここでは同じ考え方を植物へ移し、陸上で生きるために解く必要がある条件を整理します。
完成の目安は、乾燥、体の支持、物質の輸送、生殖という四つの条件を示し、それぞれを植物のつくりを調べる問いへ変えられることです。
知る・理解する
水中では、体の表面が水に触れ、水が体を支えます。生殖細胞も水中を移動できます。陸上では光や二酸化炭素を得やすい面がある一方、水分を失いやすく、重力に逆らって体を支え、土から得た水を高い位置まで運ぶ必要があります。生殖細胞や胚も乾燥から守らなければなりません。
四つの条件を問いへ変えます。
- 乾燥:体から水が逃げるのをどう抑え、気体交換も続けるか。
- 支持:水の浮力がない場所で、葉を光へ向けてどう支えるか。
- 輸送:根から吸収した水や、葉で作った養分をどう運ぶか。
- 生殖:受精や発生を、外部の水や乾燥の影響からどう守るか。
陸上は水中より「上」や「優れた場所」ではありません。水中にも流れ、光の届き方、気体の得方など固有の条件があります。植物の進化は、より優秀になる順位ではなく、異なる環境条件と特徴の関係として考えます。
具体例で使う
背の低いコケ植物は体表から水を取り入れ、湿った場所でよく見られます。維管束が発達せず、受精に水が必要なため、体の大きさや生息場所に水との結びつきが表れます。
シダ植物は根・茎・葉の区別と維管束をもち、水を体内で運び、体を支えやすくなっています。しかし、精子が卵まで移動する受精には外部の水が必要です。「陸上で生活できること」と「生殖が水から完全に独立すること」は別々に考えます。
種子植物では、花粉が精細胞を運び、種子が胚を保護します。そのため受精に外部の水を直接必要とせず、乾燥した環境へ生息域を広げることと関係します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「植物は動かないので、陸上の重力は問題にならない」は、茎が葉を支え、水を上へ運ぶ必要を見落としています。
「陸上植物は水を必要としない」も誤りです。光合成や物質輸送に水は必要で、根から吸収し、失わない仕組みが重要になります。
次は、コケ植物・シダ植物・裸子植物・被子植物を、維管束、受精時の水、胞子・種子、花・果実という同じ項目で比べます。
自分で確かめよう
確認1:陸上生活の四つの条件は?
乾燥、体の支持、物質の輸送、生殖です。確認2:陸上植物は水を必要としない?
いいえ。光合成や物質輸送に必要で、根から吸収し、体内で運び、失いすぎない仕組みが必要です。確認3:シダ植物が陸上に生えていても、水との結びつきが残るのはなぜ?
受精のとき、精子が卵まで移動するために外部の水が必要だからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。