LESSON 01

進化の複数の証拠を組み合わせる

証拠ごとに答えられる問いを分けよう

「進化の複数の証拠を組み合わせる」第1段階。証拠の種類と答えられる問いを区別します。

証拠ごとに答えられる問いを分けよう

このレッスンの役割

このレッスンは「進化の複数の証拠を組み合わせる」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、化石・環境指標・個体数を組み合わせて絶滅仮説を評価しました。ここでは、進化の証拠にも種類があり、それぞれが別の問いへ答えることを整理します。

完成の目安は、化石・体のつくり・発生・遺伝情報を、調べられる問いと結び付け、観察した事実とそこから考えた系統仮説を区別できることです。

知る・理解する

進化は長い世代の積み重ねなので、その全過程を直接観察できない場合があります。そこで、過去から残った記録や、現在の生物に受け継がれた共通点を証拠として使います。

証拠 直接観察するもの 主に答えられる問い
化石 地層中の形・出現順 いつ、どんな形の生物がいたか
相同器官 骨や器官の基本配置 共通のつくりを祖先から受け継いだか
発生 胚が育つ途中の共通点 初期のつくりに共有性があるか
遺伝情報 DNAやアミノ酸配列の一致と差 分子レベルでどの組が似ているか

四種類の進化証拠と問い化石、相同器官、発生、遺伝情報が、過去の時系列、構造、成長過程、配列という異なる問いへ答え、中央の系統仮説を支える。証拠ごとに見ている場所と時間が違う共通祖先と分岐順の仮説化石過去の時系列相同器官基本構造発生育つ過程遺伝情報配列の一致と差

「ヒトとクジラの前肢には同じ順序で対応する骨がある」は観察事実です。「共通祖先から基本構造を受け継いだ可能性がある」は、その事実を説明する仮説です。事実と仮説を分けると、どの追加証拠で仮説を確かめられるか考えられます。

具体例で使う

生物AとBの関係を調べます。化石ではAに似た古い形が先に出現し、骨格ではAとBの前肢に同じ五本の骨の配置があり、DNA配列では100文字中94文字が一致したとします。

化石は時間順、骨格は構造、DNAは分子の共通性を示します。三つはまったく同じ測定の繰り返しではありません。それぞれが「AとBは共通祖先をもつ」という仮説の別の予測と合うかを確かめています。

ただし、AがBの直接の祖先とはこの情報だけでいえません。共通祖先から別々に分かれた可能性もあります。

誤答を直して次の学びへつなげる

「DNAが似ているので進化は証明された」は広すぎます。どの生物間で、どの配列がどれだけ一致し、どの系統仮説と合うかを書きます。

「化石も骨もDNAも、全部『似ている』という同じ証拠」は、各資料が答える問いの違いを消しています。

次は、四種類の資料から、解釈を足す前の観察事実だけを正確に取り出します。

自分で確かめよう

確認1:化石資料が主に答える問いは?いつ、どのような形の生物が存在したか、その出現や変化の時間順です。
確認2:「骨の並びが同じ」と「共通祖先をもつ」の違いは?前者は観察事実、後者はその事実を説明する系統仮説です。
確認3:複数証拠を使う理由は?異なる種類の資料で、同じ系統仮説から予測される別々の特徴を確かめられるからです。

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