証拠ごとに答えられる問いを分けよう
このレッスンの役割
このレッスンは「進化の複数の証拠を組み合わせる」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、化石・環境指標・個体数を組み合わせて絶滅仮説を評価しました。ここでは、進化の証拠にも種類があり、それぞれが別の問いへ答えることを整理します。
完成の目安は、化石・体のつくり・発生・遺伝情報を、調べられる問いと結び付け、観察した事実とそこから考えた系統仮説を区別できることです。
知る・理解する
進化は長い世代の積み重ねなので、その全過程を直接観察できない場合があります。そこで、過去から残った記録や、現在の生物に受け継がれた共通点を証拠として使います。
| 証拠 | 直接観察するもの | 主に答えられる問い |
|---|---|---|
| 化石 | 地層中の形・出現順 | いつ、どんな形の生物がいたか |
| 相同器官 | 骨や器官の基本配置 | 共通のつくりを祖先から受け継いだか |
| 発生 | 胚が育つ途中の共通点 | 初期のつくりに共有性があるか |
| 遺伝情報 | DNAやアミノ酸配列の一致と差 | 分子レベルでどの組が似ているか |
「ヒトとクジラの前肢には同じ順序で対応する骨がある」は観察事実です。「共通祖先から基本構造を受け継いだ可能性がある」は、その事実を説明する仮説です。事実と仮説を分けると、どの追加証拠で仮説を確かめられるか考えられます。
具体例で使う
生物AとBの関係を調べます。化石ではAに似た古い形が先に出現し、骨格ではAとBの前肢に同じ五本の骨の配置があり、DNA配列では100文字中94文字が一致したとします。
化石は時間順、骨格は構造、DNAは分子の共通性を示します。三つはまったく同じ測定の繰り返しではありません。それぞれが「AとBは共通祖先をもつ」という仮説の別の予測と合うかを確かめています。
ただし、AがBの直接の祖先とはこの情報だけでいえません。共通祖先から別々に分かれた可能性もあります。
誤答を直して次の学びへつなげる
「DNAが似ているので進化は証明された」は広すぎます。どの生物間で、どの配列がどれだけ一致し、どの系統仮説と合うかを書きます。
「化石も骨もDNAも、全部『似ている』という同じ証拠」は、各資料が答える問いの違いを消しています。
次は、四種類の資料から、解釈を足す前の観察事実だけを正確に取り出します。
自分で確かめよう
確認1:化石資料が主に答える問いは?
いつ、どのような形の生物が存在したか、その出現や変化の時間順です。確認2:「骨の並びが同じ」と「共通祖先をもつ」の違いは?
前者は観察事実、後者はその事実を説明する系統仮説です。確認3:複数証拠を使う理由は?
異なる種類の資料で、同じ系統仮説から予測される別々の特徴を確かめられるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。