共通の祖先から役割が分かれるモデルを描こう
このレッスンの役割
このレッスンは「相同器官という証拠」6レッスンの3番目です。前のレッスンで、骨の位置とつながりを対応させました。ここでは、その共通構造を進化の証拠として説明します。
完成の目安は、共通祖先がもっていた前肢の基本構造を受け継ぎながら、枝分かれした集団で歩行・遊泳・飛行など異なる役割に変化した、というモデルを描けることです。
知る・理解する
異なる生物に、偶然とは考えにくいほど多くの骨の位置関係が共通しているとします。最も筋の通る説明の一つは、共通の祖先がその基本構造をもち、枝分かれした子孫が受け継いだというものです。
枝分かれ後、それぞれの集団では世代を重ねる中で骨の長さや太さが変わり、異なる働きに合う形になりました。基本構造が共通することと、現在の働きが異なることは矛盾しません。
枝分かれ図の根元は共通祖先を表します。ヒトがクジラへ変わった、クジラがコウモリへ変わった、という横一列の変身ではありません。
具体例で使う
動物AとBの前肢に、一本→二本→五本の指という共通配置があり、Aは地上歩行、Bは遊泳に使うとします。
説明は「Aの脚がBのひれへ直接変化した」ではありません。「AとBの共通祖先に前肢の基本構造があり、枝分かれ後にそれぞれの集団で歩行と遊泳に合う形へ変化した可能性がある」です。
化石の時間順、発生、DNAなど別の証拠が同じ関係を支えれば、推定はさらに強くなります。相同器官だけで祖先種を一つに特定することはできません。
誤答を直して次の学びへつなげる
「ヒトの腕がクジラのひれへ変わった」は、現在の種どうしを直接の親子にしています。共通祖先から枝分かれしたモデルへ直します。
「相同器官だから祖先の名前まで分かる」は、証拠の範囲を超えています。分かるのは共通の起源をもつ可能性です。
次は、複数の器官の比較表から、共通する骨の数・位置・つながりを証拠として読み取ります。
自分で確かめよう
確認1:相同器官の共通構造は何を示す証拠?
共通の祖先から基本構造を受け継いだ可能性を示します。確認2:枝分かれ図で根元が表すものは?
比較する生物が共有したと考えられる共通祖先です。確認3:相同器官だけで直接の祖先種を特定できる?
できません。化石、発生、遺伝情報など別の証拠も必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。