コケ・シダ・種子植物を同じ項目で比べよう
このレッスンの役割
このレッスンは「植物の進化と陸上生活」6レッスンの2番目です。前のレッスンでは、陸上で解くべき四つの条件を整理しました。ここでは、植物の仲間を同じ観察項目で比べ、どの特徴がどの条件と関係するかを読みます。
完成の目安は、維管束、根・茎・葉、受精時の外部の水、胞子・種子、花・果実の有無を混ぜずに比較し、事実と働きの解釈を分けて記録できることです。
知る・理解する
比較表は、違いを暗記するためだけの表ではありません。同じ項目を横に追うと、どの特徴がどのグループで共有され、陸上の条件とどう関係するかが見えます。
| 比較項目 | コケ植物 | シダ植物 | 裸子植物 | 被子植物 |
|---|---|---|---|---|
| 維管束 | 発達しない | ある | ある | ある |
| 根・茎・葉 | はっきり分かれない | 分かれる | 分かれる | 分かれる |
| 受精時の外部の水 | 必要 | 必要 | 直接は不要 | 直接は不要 |
| ふえ方 | 胞子 | 胞子 | 種子 | 種子 |
| 花・果実 | ない | ない | 花・果実はない | 花と果実がある |
| 胚珠・種子 | ない | ない | 胚珠・種子がむき出し | 胚珠は子房内、種子は果実内 |
コケ植物とシダ植物は胞子でふえますが、シダ植物には維管束と根・茎・葉の区別があります。「胞子でふえる」という一項目だけでは同じ仲間になりません。
裸子植物と被子植物は種子植物です。どちらも花粉によって精細胞が運ばれるため、受精に外部の水を直接必要としません。ただし、裸子植物には被子植物のような花や果実はなく、胚珠と種子がむき出しです。
「外部の水が直接不要」は「植物体が水を必要としない」という意味ではありません。根から水を吸収し、光合成や物質輸送に使うことと、受精時に精子が外部の水中を泳ぐかどうかは別の問いです。
具体例で使う
未知の植物Xには維管束があり、胞子でふえ、受精に外部の水が必要です。維管束だけを見ると種子植物の可能性もありますが、胞子と受精時の水という証拠を組み合わせると、シダ植物に多い特徴の組合せだと判断できます。
植物Yには維管束、花粉、種子がありますが、花と果実はなく、種子がむき出しです。これは裸子植物に多い特徴の組合せです。「種子がある」だけでは被子植物とは決めません。
植物Zには花と果実があります。果実は子房が成長したものなので、その中に種子が包まれます。花粉と種子だけでなく、花・子房・果実のつながりまで確認します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「胞子は小さな種子」は誤りです。種子には胚があり、保護するつくりや養分を伴います。胞子と種子は同じものの大小ではありません。
「裸子植物にも花がある」は、中学校で扱う花の意味と混同しています。裸子植物には雄花・雌花という呼び方をすることがありますが、被子植物のように子房をもつ花ではなく、果実を作りません。問題では胚珠がむき出しか子房内かを確認します。
次は、維管束・クチクラ・気孔・花粉・種子・花・果実について、構造→働き→陸上条件の順で説明します。
自分で確かめよう
確認1:コケ植物とシダ植物の大きな共通点と相違点は?
どちらも胞子でふえ、受精に外部の水が必要です。シダ植物には維管束と根・茎・葉の区別があります。確認2:裸子植物と被子植物の違いは?
裸子植物は胚珠と種子がむき出しで果実を作りません。被子植物は胚珠が子房内にあり、種子が果実に包まれます。確認3:花粉をもつ植物は水を全く必要としない?
いいえ。受精に外部の水を直接必要としないだけで、植物の生命活動には水が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。