LESSON 01

植物の進化と陸上生活

コケ・シダ・種子植物を同じ項目で比べよう

「植物の進化と陸上生活」第2段階。植物の仲間を同じ特徴で比較します。

コケ・シダ・種子植物を同じ項目で比べよう

このレッスンの役割

このレッスンは「植物の進化と陸上生活」6レッスンの2番目です。前のレッスンでは、陸上で解くべき四つの条件を整理しました。ここでは、植物の仲間を同じ観察項目で比べ、どの特徴がどの条件と関係するかを読みます。

完成の目安は、維管束、根・茎・葉、受精時の外部の水、胞子・種子、花・果実の有無を混ぜずに比較し、事実と働きの解釈を分けて記録できることです。

知る・理解する

比較表は、違いを暗記するためだけの表ではありません。同じ項目を横に追うと、どの特徴がどのグループで共有され、陸上の条件とどう関係するかが見えます。

比較項目 コケ植物 シダ植物 裸子植物 被子植物
維管束 発達しない ある ある ある
根・茎・葉 はっきり分かれない 分かれる 分かれる 分かれる
受精時の外部の水 必要 必要 直接は不要 直接は不要
ふえ方 胞子 胞子 種子 種子
花・果実 ない ない 花・果実はない 花と果実がある
胚珠・種子 ない ない 胚珠・種子がむき出し 胚珠は子房内、種子は果実内

コケ植物とシダ植物は胞子でふえますが、シダ植物には維管束と根・茎・葉の区別があります。「胞子でふえる」という一項目だけでは同じ仲間になりません。

裸子植物と被子植物は種子植物です。どちらも花粉によって精細胞が運ばれるため、受精に外部の水を直接必要としません。ただし、裸子植物には被子植物のような花や果実はなく、胚珠と種子がむき出しです。

植物の特徴を同じ項目で比べる表維管束、受精に外部の水が必要か、胞子か種子か、花と果実の有無をコケ、シダ、裸子、被子で横に比較する。一つの特徴でなく、同じ四項目を横に追う比較項目コケシダ裸子被子維管束受精の外部水胞子/種子花・果実なしありありあり必要必要直接不要直接不要胞子胞子種子種子なしなしなしあり観察事実をそろえてから、環境上の意味を考える

「外部の水が直接不要」は「植物体が水を必要としない」という意味ではありません。根から水を吸収し、光合成や物質輸送に使うことと、受精時に精子が外部の水中を泳ぐかどうかは別の問いです。

具体例で使う

未知の植物Xには維管束があり、胞子でふえ、受精に外部の水が必要です。維管束だけを見ると種子植物の可能性もありますが、胞子と受精時の水という証拠を組み合わせると、シダ植物に多い特徴の組合せだと判断できます。

植物Yには維管束、花粉、種子がありますが、花と果実はなく、種子がむき出しです。これは裸子植物に多い特徴の組合せです。「種子がある」だけでは被子植物とは決めません。

植物Zには花と果実があります。果実は子房が成長したものなので、その中に種子が包まれます。花粉と種子だけでなく、花・子房・果実のつながりまで確認します。

誤答を直して次の学びへつなげる

「胞子は小さな種子」は誤りです。種子には胚があり、保護するつくりや養分を伴います。胞子と種子は同じものの大小ではありません。

「裸子植物にも花がある」は、中学校で扱う花の意味と混同しています。裸子植物には雄花・雌花という呼び方をすることがありますが、被子植物のように子房をもつ花ではなく、果実を作りません。問題では胚珠がむき出しか子房内かを確認します。

次は、維管束・クチクラ・気孔・花粉・種子・花・果実について、構造→働き→陸上条件の順で説明します。

自分で確かめよう

確認1:コケ植物とシダ植物の大きな共通点と相違点は?どちらも胞子でふえ、受精に外部の水が必要です。シダ植物には維管束と根・茎・葉の区別があります。
確認2:裸子植物と被子植物の違いは?裸子植物は胚珠と種子がむき出しで果実を作りません。被子植物は胚珠が子房内にあり、種子が果実に包まれます。
確認3:花粉をもつ植物は水を全く必要としない?いいえ。受精に外部の水を直接必要としないだけで、植物の生命活動には水が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。