LESSON 01

脊椎動物の変遷

魚が両生類になったという一本道の誤解を直そう

「脊椎動物の変遷」第5段階。現在の仲間を一直線の親子にする誤解を直します。

魚が両生類になったという一本道の誤解を直そう

このレッスンの役割

このレッスンは「脊椎動物の変遷」6レッスンの5番目です。前のレッスンでは、年代と共有する特徴から枝分かれのモデルを作りました。ここでは、変遷を一直線の階段として捉える誤解を直します。

完成の目安は、「現在の魚類が現在の両生類になった」「後に現れた仲間ほど優れている」「化石は必ず直接の祖先である」という三つの誤りを、共通祖先・枝分かれ・証拠の限界を使って修正できることです。

知る・理解する

「魚類に共通する特徴をもつ脊椎動物が先に現れ、両生類に共通する特徴をもつものが後に現れた」という説明は、化石記録に基づきます。しかし、これを「今いる魚がカエルへ変身した」と言い換えてはいけません。

現在の魚類と現在の両生類は、過去の共通祖先から枝分かれした別の系統です。魚類につながる系統は水中生活に関係する多様な特徴をもちながら現在まで続き、両生類につながる系統も水辺と陸上を使う多様な特徴をもちながら続いてきました。

進化の一本道モデルを枝分かれモデルへ直す上段では現在の魚、両生類、は虫類、哺乳類を一直線の矢印で結ぶ誤り。下段では共通祖先から複数の系統が枝分かれし、それぞれ現在まで続く。登場順は「変身の順番」ではない誤り現在の魚現在の両生類現在のは虫類現在の哺乳類修正魚類につながる系統両生類につながる系統は虫類につながる系統哺乳類につながる系統共通祖先から枝分かれし、それぞれが続く

「進化した」は「優秀になった」「複雑になった」という評価ではなく、世代を重ねて集団の遺伝的な特徴が変化したことです。単純な体のつくりが、その環境で不利とは限りません。環境が変われば、有利な特徴も変わります。

化石についても慎重にします。年代と特徴が祖先に近いことを示しても、その化石個体が後のグループの直接の祖先だったとは限りません。祖先に近い別の枝かもしれないからです。

具体例で使う

誤答「魚は陸に上がる必要があったので足を生やし、両生類になった」を直します。

まず主語を一匹の魚から集団と世代へ変えます。次に、ひれの内部に四肢と共通する骨をもつ化石や、指と水中生活に関係する特徴を併せもつ化石を根拠にします。そして、「魚類と両生類につながる系統は共通祖先から枝分かれし、その過程では水中と陸上に関係する特徴の組合せが異なる化石が見つかっている」と説明します。

もう一つの誤答「哺乳類は最後に現れたから最も進化している」は、「哺乳類に共通する特徴をもつ化石が、魚類に共通する特徴の化石より後の地層から見つかる」に直します。これは登場時期の比較であり、価値や優劣の比較ではありません。

誤答を直すときは、誤った言葉を消すだけでなく、「何が資料から言えるか」を新しい文に残します。

誤答を直して次の学びへつなげる

「今いる魚が今いるカエルへ変わった」には、共通祖先と枝分かれを補います。

「進化は下等から高等への前進」には、環境との関係と、複数の系統が現在まで続くことを補います。

「古い化石は後の動物の直接の祖先」には、「祖先に近い特徴をもつ可能性」と「直接関係は資料だけでは確定できない」という限界を補います。

次は、未知の化石セットを使います。年代・骨格・環境を統合し、枝分かれの仮説とその限界を入試記述にまとめます。

自分で確かめよう

確認1:現在の魚類と現在の両生類の関係は?過去の共通祖先から枝分かれし、それぞれ現在まで続いた別の系統です。
確認2:「後に現れたほど優れている」が誤りなのはなぜ?化石の登場順は年代の情報であり、環境への適し方や生物の価値の順位ではないからです。
確認3:化石が祖先に近い特徴をもてば、直接の祖先と確定できる?できません。祖先に近い別の枝である可能性があり、追加の証拠が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。