LESSON 01

相同器官という証拠

同じ働きなら相同器官という誤解を直そう

「相同器官という証拠」第5段階。相同器官と働きだけが似る相似器官を区別します。

同じ働きなら相同器官という誤解を直そう

このレッスンの役割

このレッスンは「相同器官という証拠」6レッスンの5番目です。比較表から基本構造を読めるようになったので、相同器官と「働きが似ているだけの器官」を区別します。

完成の目安は、相同器官を起源・基本構造で判断し、鳥の翼と昆虫の翼のように同じ働きでも起源が異なる器官を見分けられることです。

知る・理解する

相同器官の判断では、働きが同じかではなく、基本的なつくりと起源が共通するかを見ます。ヒトの腕とコウモリの翼は働きが違いますが、内部の前肢骨格が対応するので相同器官です。

一方、鳥の翼と昆虫の翼はどちらも飛ぶために使われます。しかし、鳥の翼は骨をもつ前肢で、昆虫の翼は体表から広がった構造であり、翼としての起源は異なります。このように働きや外見が似ていても起源が異なる器官は、相似器官として区別します。

相同器官と相似器官を判断する二つの比較左はヒトの腕と鳥の翼で働きは違うが前肢骨格が共通する相同器官。右は鳥の翼と昆虫の翼で飛ぶ働きは同じだが基本構造が異なる相似器官。働きと基本構造を別々に比べる相同器官ヒトの腕 ↔ 鳥の翼働きは違う/前肢構造は共通相似器官鳥の翼 ↔ 昆虫の翼働きは同じ/基本構造と起源は異なる相同=同じ働き、ではない

鳥の翼とコウモリの翼は、前肢として見れば相同です。ただし、飛行に使う翼としての形は、それぞれの系統で変化しました。一つの組み合わせでも、どの範囲を比較するかを明確にします。

具体例で使う

魚の胸びれとクジラの胸びれは、名前と働きが似ています。しかしクジラの胸びれには、陸上脊椎動物の前肢と対応する一本→二本→指の骨があります。魚のひれは同じ配置ではありません。

したがって「胸びれという名前が同じだから相同」とは判断しません。クジラの胸びれはヒトの腕と前肢として相同であり、魚のひれとは泳ぐ働きが似ている、と分けます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「鳥と昆虫の翼は同じ働きなので相同器官」は、働きと起源を混同しています。内部構造を確認します。

「相同器官なら形が完全に同じ」も誤りです。役割に応じて長さや形は変わっても、基本配置が対応します。

「名前が同じ器官は相同」も、言葉だけの判断です。骨の位置とつながりへ戻ります。

次は、未知の骨格と働きの資料から、相同器官か相似器官かを選び、根拠を記述します。

自分で確かめよう

確認1:相同器官の判断で重視するものは?基本的なつくり、対応する位置、起源の共通性です。
確認2:鳥の翼と昆虫の翼はなぜ相似器官?飛ぶ働きは同じですが、基本構造と起源が異なるからです。
確認3:ヒトの腕とクジラの胸びれは働きが違っても相同?はい。前肢の骨の基本配置が共通するため、相同器官と考えられます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。