最も強い個体が生き残るという誤解を直そう
このレッスンの役割
このレッスンは「自然選択の考え方」6レッスンの5番目です。前のレッスンでは、世代ごとの形質割合を計算しました。ここでは「自然選択とは最も強い個体が勝つこと」という誤解を直します。
完成の目安は、強さや長寿ではなく、特定の環境で生存し、繁殖して子孫を残す差として自然選択を説明し、環境が変われば有利な特徴も変わると判断できることです。
知る・理解する
自然選択で重要なのは、腕力や体の大きさではありません。ある環境で、遺伝する形質をもつ個体が平均してより多く子孫を次世代へ残すかです。
小さな体が少ない餌で生きることに役立つ環境もあります。目立たない色が捕食を避けることに関係する場合もあります。反対に、環境が変われば同じ形質が不利になることがあります。
「生き残る」だけでも不十分です。長生きしても子を残さなければ、その形質が次世代で増える原因になりません。反対に寿命が短くても、多くの子孫を残す形質が世代で増えることがあります。
具体例で使う
乾燥した島で、体が大きい個体Aと小さい個体Bがいます。Aは力が強いものの、多くの餌を必要とし、子を1個体残しました。Bは力が弱くても少ない餌で生活し、子を4個体残しました。
この環境と世代では、Bの形質が次世代へ多く伝わる可能性があります。「強いAが自然選択で必ず残る」とは言えません。
雨が増えて餌が豊富になり、大きい体が繁殖相手の獲得に役立つなら、結果は変わるかもしれません。有利な形質は固定された順位ではありません。
誤答を直して次の学びへつなげる
「最も強い個体が選ばれる」は、環境と繁殖数を見ていません。
「生き残った個体は必ず有利」は、偶然と子孫数を区別していません。多数の個体を複数世代で調べます。
「自然選択で生物は完璧になる」も誤りです。特徴には利点と制約があり、環境も変わります。
次は、薬剤への抵抗性という未知資料で、個体差・遺伝・生存繁殖差・世代割合を統合します。その後のセクションでは、必要だから抵抗性が生じたという目的論を詳しく直します。
自分で確かめよう
確認1:自然選択でいう「有利」とは?
特定の環境で、平均してより多く子孫を次世代へ残すことに関係するという意味です。確認2:長生きすれば必ず形質が増える?
必ずではありません。形質が遺伝し、子孫を残す数に差がある必要があります。確認3:環境が変わっても有利な形質は同じ?
同じとは限りません。形質の利点と制約は環境との組合せで変わります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。