配列の違いを数えて類縁関係を比べよう
このレッスンの役割
このレッスンは「進化の複数の証拠を組み合わせる」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、独立した証拠が同じ系統仮説へ集まる意味を学びました。ここでは、短いDNAまたはアミノ酸配列を同じ位置で比べ、違う文字の数を一つの証拠として使います。
完成の目安は、配列を位置ごとにそろえて差を数え、どの組がより近い共通祖先をもつ仮説と合うかを、他の証拠と区別して説明できることです。
知る・理解する
DNAの塩基配列はA・T・G・Cなどの並びで表します。同じ遺伝子の対応する部分を比べると、共通祖先から分かれた後に生じた変化が違いとして残る場合があります。単純な問題では、違う位置が少ない組ほど、より新しい共通祖先をもつ可能性が高いと考えます。
| 位置 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 生物A | A | T | G | C | C | A | T | G |
| 生物B | A | T | G | T | C | A | T | G |
| 生物C | G | T | A | T | C | G | T | A |
AとBは4番目だけ異なり、差は1です。AとCは1・3・4・6・8番目が異なり、差は5です。この資料は、AとBがAとCより近縁という仮説と合います。
この読み方には条件があります。同じ種類の遺伝情報の、対応する範囲を比べることです。別の遺伝子や長さの違う範囲を、そのまま差の数だけで比べてはいけません。
具体例で使う
生物XとYは20文字中2か所、XとZは20文字中7か所、YとZは20文字中6か所異なります。この配列資料だけなら、XとYが最も近い共通祖先をもつ仮説が最も合います。
ただし、差が2だから「2年前に分岐した」とは読めません。配列変化の速さは場所や生物で異なり、この問題には時間の尺度がありません。
骨格資料でもXとYが共通の特徴をもつなら、分子と構造の独立証拠が同じ仮説を支えます。骨格が反するなら、比較した配列の範囲や、骨格の特徴が収斂でないかを検討します。
誤答を直して次の学びへつなげる
「配列が長い生物ほど進化している」は誤りです。比較するのは対応位置の一致と差です。
「差が一つなのでAはBの直接の祖先」もいえません。近い共通祖先をもつ可能性を示すだけで、祖先・子孫を直接決めません。
次は、外見一つや一遺伝子だけで系統を確定したり、結論に合う資料だけを選んだりする誤りを直します。
自分で確かめよう
確認1:配列比較の前にそろえるものは?
同じ遺伝情報の対応する範囲と、文字の位置です。確認2:差が少ない組から何が考えられる?
単純な条件では、より新しい共通祖先をもつ可能性が高いと考えられます。確認3:配列差だけで分岐年代を出せない理由は?
変化の速さと時間尺度が与えられておらず、配列や生物で変化速度も異なるからです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。