LESSON 01

相同器官という証拠

器官の比較表から共通する基本構造を読もう

「相同器官という証拠」第4段階。比較表から骨の数・位置・つながりを読みます。

器官の比較表から共通する基本構造を読もう

このレッスンの役割

このレッスンは「相同器官という証拠」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、共通の基本構造を共通祖先からの枝分かれで説明しました。ここでは、複数の生物をまとめた比較表から、その根拠を選びます。

完成の目安は、骨の数、体側からの位置、関節のつながりを行ごとに比較し、共通点と相違点を分けて説明できることです。

知る・理解する

比較表を読むときは、「似ている項目が何個あるか」だけを数えません。進化上のつながりを考えるには、同じ位置にある部分が、同じ順序でつながるかが重要です。

たとえば前肢について、上腕部が一本、前腕部が二本、手首から先が多数という三つの特徴が、ヒト、クジラ、コウモリに共通するとします。指骨の長さや前肢の働きは異なっても、基本配置は共通です。

四つの動物の前肢構造を比べる表ヒト、クジラ、コウモリは上腕一本、前腕二本、手首指多数が共通し、働きと指の長さは異なる。昆虫の翼はこの骨配置をもたない。対応する位置ごとに、共通と相違を分ける生物上腕部の骨前腕部の骨手首・指の骨主な働きヒトクジラコウモリ昆虫111なし222なし多数多数多数なし物を持つ泳ぐ飛ぶ飛ぶ共通の配置は、同じ働きより強い手がかり

昆虫の翼も飛ぶ働きをもちますが、脊椎動物の前肢にある骨の配置はありません。働きが一致する一項目より、複数の対応する位置に共通する構造を重視します。

具体例で使う

未知の動物Xについて、前肢の主な働きは穴掘り、骨の配置は一本→二本→五本の指とします。表のヒト、クジラ、コウモリと働きは違いますが、三段階の配置が共通します。

したがって、動物Xの前肢もこれらと相同器官である可能性が高い、と判断します。穴掘りという働きだけが同じ別の器官を探しても、基本構造の証拠にはなりません。

誤答を直して次の学びへつなげる

「飛ぶ生物どうしが最も近い」は、働きだけを比べています。コウモリと昆虫では翼の内部構造が大きく異なります。

「共通項目が一つあれば近縁」は、証拠が弱すぎます。複数の対応する位置とつながりを確認します。

次は、同じ働きをもつ器官と、同じ基本構造をもつ相同器官を区別し、典型的な誤答を修正します。

自分で確かめよう

確認1:比較表で数より重要な情報は?骨が体のどの位置にあり、どの順序でつながるかです。
確認2:コウモリの翼と昆虫の翼は、飛ぶので相同器官?翼としては相同器官ではありません。働きは同じでも内部の基本構造と起源が異なります。
確認3:動物Xの前肢が一本→二本→多数なら何を考えられる?ヒトやクジラなどの前肢と基本構造が共通し、相同器官である可能性を考えられます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。