LESSON 01

進化の複数の証拠を組み合わせる

未知生物の系統仮説を複数証拠で評価しよう

「進化の複数の証拠を組み合わせる」第6段階。未知資料から支持・反証・不足を総合評価します。

未知生物の系統仮説を複数証拠で評価しよう

このレッスンの役割

このレッスンは「進化の複数の証拠を組み合わせる」6レッスンの最後です。ここまでに、証拠と問い、観察事実、独立性、配列差、典型誤答を学びました。ここでは、未知生物の複合資料から最もよく支えられる系統仮説を選びます。

完成の目安は、各証拠を同じ表へ整理し、支持・反証・不足を示して、結論の確かさを資料の範囲に合わせて書けることです。

知る・理解する

初見の複合資料では、次の順に考えます。

  1. 比べる系統仮説を明確にする。
  2. 各資料から観察事実だけを抜き出す。
  3. その事実がどの仮説を支持・反証するか分ける。
  4. 証拠の独立性と比較条件を確認する。
  5. 最も多くの質のよい証拠を説明する仮説を暫定採用する。
  6. 合わない証拠と追加調査を残す。

系統仮説と複数証拠の評価表仮説H1とH2を列に、化石、骨格、発生、DNAを行に置き、支持、反証、未判定を記録して総合判断する。資料ごとに仮説との一致を記録する証拠仮説H1仮説H2化石骨格発生DNA支持支持未判定支持反証反証未判定反証未判定と反証を隠さず、暫定結論を書く

「支持が三つだから必ず正しい」という多数決ではありません。三つが同じ元資料の複製なら強くありません。反対に、独立した化石・骨格・DNAが同じ分岐順を示すなら、仮説の説明力は高まります。

具体例で使う

未知生物A・B・Cについて、仮説H1は「AとBが近縁」、H2は「AとCが近縁」です。骨格ではAとBに同じ骨の接続、発生では三種に共通する初期構造、DNA差はA-Bが2、A-Cが8、B-Cが7です。化石はAとBに共通する特徴をもつ古い種Xを示します。

骨格、DNA、化石はH1と合います。発生資料は三種すべての古い共通性を示しますが、A-BとA-Cのどちらが近いかは区別しません。したがって「H1が複数の独立証拠により、H2よりよく支持される」と書けます。

ただし、種XがAとBの直接祖先とは断定できず、別系統の近縁種かもしれません。追加の化石や複数配列が必要です。

誤答を直して次の学びへつなげる

「発生資料もH1を支持する」は、三種すべてに共通するだけならH1とH2を区別できません。未判定とします。

「H1が正しいので、合わない資料は無視する」は結論から証拠を選んでいます。

次の「進化に関する資料を考察する」では、ここで身につけた証拠評価を、設問の条件やグラフを含む入試型の資料考察へ広げます。

自分で確かめよう

確認1:仮説を区別できない資料はどう記録する?無理に支持・反証へ入れず、「未判定」または「どちらとも一致」と記録します。
確認2:H1を支える独立証拠は?例では骨格の接続、DNA配列差、化石の特徴と時系列です。
確認3:結論に含める限界は?資料で区別できない点、反する資料、直接祖先と断定できない点、必要な追加証拠です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。