ヒトの腕・クジラのひれ・コウモリの翼に同じ骨を探そう
このレッスンの役割
このレッスンは「相同器官という証拠」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、地層と化石から生物が現れた時間順を読みました。ここでは、現在の生物の体を比べ、共通の祖先を考える別の証拠を見つけます。
完成の目安は、ヒトの腕、クジラの胸びれ、コウモリの翼が、働きや外見は違っても、肩側から同じ基本的な骨の並びをもつと説明できることです。
知る・理解する
ヒトの腕は物を持ち、クジラの胸びれは水を押し、コウモリの翼は空を飛ぶために使われます。働きだけを見ると、別々の器官に見えます。
しかし皮膚や筋肉の内側にある骨を肩側から追うと、一本の太い骨、その先に二本の骨、さらに手首と指に当たる多数の骨という共通した配置があります。大きさや長さは違っても、骨どうしの位置関係が対応します。
このように、現在の働きや外見が異なっていても、基本的なつくりと起源が共通すると考えられる器官を相同器官といいます。共通する基本構造は、これらの生物が共通の祖先から枝分かれした可能性を支える証拠です。
図を見るときは、骨の色だけでなく「肩側から一本→二本→多数」という順序を声に出しましょう。色のない入試図でも対応を見つけられるようになります。
具体例で使う
未知の動物Xの前肢に、体側から一本の骨、その先に二本の骨、さらに五本の指へ続く骨があるとします。外見がひれのようでも、この配置はヒトやクジラの前肢と共通します。
したがって、動物Xの前肢はヒトの腕などと相同器官である可能性が高い、と考えられます。ただし、骨の配置だけで動物Xがヒトの直接の祖先だとはいえません。分かるのは、共通の基本構造を受け継いだ可能性です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「泳ぐ働きが同じなら、クジラの胸びれと魚のひれは必ず相同器官」は、働きだけで判断しています。内部の骨の配置と起源を比べる必要があります。
「翼と腕は形が違うので無関係」も、外見だけを見ています。コウモリの翼の内部には、腕や指に対応する骨があります。
次は、骨の大きさや表面の形に惑わされず、位置とつながりを手順に沿って対応させます。
自分で確かめよう
確認1:相同器官とはどんな器官?
働きや外見が異なっても、基本的なつくりと起源が共通すると考えられる器官です。確認2:前肢の骨を肩側から追う基本順序は?
一本の骨→二本の骨→手首・指に当たる多数の骨です。確認3:相同器官なら一方が他方の直接の祖先?
そうとは限りません。共通祖先から基本構造を受け継いだ可能性を示します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。