LESSON 01

進化は世代を重ねた変化

個体の変化と集団の進化を時間軸で分けよう

「進化は世代を重ねた変化」第1段階。個体の変化と集団の進化を主語と時間で分けます。

個体の変化と集団の進化を時間軸で分けよう

このレッスンの役割

このレッスンは「進化は世代を重ねた変化」6レッスンの1番目です。前のコースでは、遺伝情報が生殖細胞を通して親から子へ渡ることを学びました。ここでは、その受け渡しが何世代も続くとき、集団の特徴が変わる「進化」の時間軸をつかみます。

完成の目安は、個体の成長・変態・一時的な変化と、世代を重ねた集団の変化を区別し、「何が」「どれくらいの時間で」変わったのかを説明できることです。

知る・理解する

進化とは、一個体が生きている間に別の種類へ変身することではありません。同じ種の集団に見られる遺伝する特徴の割合などが、世代を重ねる中で変化することです。主語は「一個体」ではなく「集団」、時間の単位は「日や成長段階」ではなく「世代」です。

オタマジャクシがカエルになるのは変態です。一個体の体が決まった生活史の中で変わっています。子どもが大人になるのは成長です。運動で筋肉が大きくなるのも個体の変化です。これらを、そのまま進化とは呼びません。

一方、ある形質をもつ個体が集団の10%だったのに、多くの世代を経て70%になったなら、集団の特徴が世代を通して変わっています。この変化が遺伝する特徴に関係するかを証拠で確かめ、進化として考えます。

個体の一生と集団の世代変化を分ける時間軸上段は一個体が幼体から成体へ成長・変態する短い時間。下段は集団内で青い形質の割合が10パーセント、35パーセント、70パーセントへ世代を重ねて変わる長い時間。一個体の一生幼体成長中成体成長・変態:同じ個体の中の変化集団の世代交代第1世代形質X 10%第20世代形質X 35%第50世代形質X 70%進化:集団の特徴が世代を通して変わる

「変わった」という言葉を見たら、主語、時間、遺伝の三点を確かめます。個体か集団か、一生の中か複数世代か、その特徴は親子で受け渡されうるか、です。

具体例で使う

寒い場所へ移した一匹の動物の毛が冬に厚くなったとします。これは、その個体が季節や環境に応じて変化した例で、この観察だけでは進化といえません。

一方、同じ地域の動物を50世代調べ、厚い毛をもつ個体の割合が毎世代記録され、10%から70%へ変わったとします。さらに厚い毛の特徴が親子で受け継がれる証拠があれば、集団が世代を通して変化した進化の例として考えられます。

進化かどうかは、見た目の変化の大きさでは決まりません。小さな形質の割合の変化でも世代をまたぐ集団の変化なら進化であり、大きな変態でも一個体の一生の出来事なら進化とは区別します。

誤答を直して次の学びへつなげる

「オタマジャクシが陸上生活に必要な脚を生やして進化した」は、変態と進化の混同です。オタマジャクシからカエルになるのは一個体の発生・成長の過程です。

「キリン一頭の首が一生の間に伸びたので進化した」は、主語が個体になっています。進化を述べるなら、集団内の遺伝する特徴が世代を通してどう変わったかを示す必要があります。

次は、世代ごとの記録を同じ方法で集め、集団の変化を個体数ではなく割合でも確かめる手順を学びます。

自分で確かめよう

確認1:進化を考えるときの主語と時間単位は?主語は集団、時間単位は複数の世代です。
確認2:昆虫が幼虫から成虫になるのは進化?進化ではなく変態です。一個体の一生の中で起こる変化です。
確認3:集団で形質Xが10%から70%へ変化しただけで、すぐ進化と断定できる?世代をまたいだ記録か、その形質が遺伝に関係するか、同じ方法で調べたかなどの証拠も確かめます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。