世代ごとの形質割合を計算して選択を読もう
このレッスンの役割
このレッスンは「自然選択の考え方」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、個体差から生存・繁殖差を経て、集団の形質割合が変わる因果をつなぎました。ここでは総個体数が異なる世代も比較できるよう、形質をもつ個体の割合を計算します。
完成の目安は、形質をもつ個体数÷総個体数×100で割合を求め、複数世代の傾向を生存・繁殖資料と対応させて説明できることです。
知る・理解する
個体数だけを比べると、集団全体の大きさにだまされることがあります。暗色が40個体から60個体へ増えても、総個体数が100から300へ増えたなら、割合は40%から20%へ下がっています。
割合は次の式で求めます。
形質の割合(%)=形質をもつ個体数÷総個体数×100
割合が一世代だけ増えても、すぐ自然選択とは決めません。偶然、移動、採集方法の違いでも変わります。複数世代の傾向と、形質が遺伝する資料、生存・繁殖数の差を組み合わせます。
具体例で使う
ある昆虫集団を調べました。
| 世代 | 暗色 | 明色 | 総数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 30 | 70 | 100 |
| 2 | 60 | 60 | 120 |
| 3 | 105 | 45 | 150 |
第1世代は30÷100×100=30%、第2世代は60÷120×100=50%、第3世代は105÷150×100=70%です。暗色の割合は世代ごとに増えています。
さらに暗色個体が明色個体より平均して多く子を残し、体色が親子で伝わる資料があれば、暗い環境での自然選択という説明を支持します。割合の表だけなら、移住など別の原因も候補です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「暗色が30個体から60個体へ増えたので割合は2倍」は、総個体数を見ていません。30%から50%であり、2倍ではありません。
「第2世代で割合が増えたので自然選択が証明された」は、遺伝・繁殖差・複数世代の傾向を確認していません。
次は、「最も強い個体が必ず生き残る」という誤解を直し、特定環境で子孫を残す差として自然選択を捉えます。
自分で確かめよう
確認1:120個体中48個体が暗色なら割合は?
48÷120×100=40%です。確認2:個体数ではなく割合で比べる理由は?
世代ごとに総個体数が違っても、集団内で形質が占める大きさを比較できるからです。確認3:割合が一世代増えただけで自然選択と断定できる?
できません。偶然や移動も検討し、遺伝、繁殖差、複数世代の傾向を確認します。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。