個体差から世代変化までの因果をつなごう
このレッスンの役割
このレッスンは「自然選択の考え方」6レッスンの3番目です。前のレッスンでは、背景による見つかりやすさの差をモデルで調べました。ここでは生存差に遺伝と繁殖を加え、集団の形質割合が変わるまでを因果でつなぎます。
完成の目安は、個体が生きている間に別の形質へ変わるのではなく、遺伝する個体差と子孫数の差によって次世代の集団構成が変わると説明できることです。
知る・理解する
自然選択の因果は、次の順です。
- 親世代の集団に、遺伝する形質の違いがある。
- 環境との関係で、生存と繁殖の成功に平均的な差が生じる。
- より多く子を残した個体の形質が、次世代へ多く伝わる。
- この差が繰り返され、集団内の形質割合が変わる。
自然選択でいう「有利」は、特定の環境でより多く子孫を残すことに関係する、という意味です。体が大きい、力が強い、長く生きるという一つの性質だけでは決まりません。
具体例で使う
親世代100個体のうち暗色が40個体、明色が60個体いたとします。暗い背景で、暗色は一個体あたり平均3個体、明色は平均1個体の生き残る子を残しました。
単純化すると、次世代への暗色の寄与は40×3=120、明色は60×1=60です。合計180のうち暗色は120なので、暗色割合は約67%になります。親世代の40%から増えました。
ここで親の明色個体が暗色へ変身したのではありません。暗色の形質をもつ親が平均して多く子を残したため、子世代の集団に占める暗色の割合が増えました。
誤答を直して次の学びへつなげる
「背景が暗いので、明色個体が暗色になった」は個体の変化と集団の世代変化を混同しています。
「生き残った個体はすべて選ばれた」は、繁殖を見ていません。次世代へ形質を伝えるには子孫を残す必要があります。
次は、総個体数が世代ごとに違っても比較できるよう、形質をもつ個体数を総個体数で割り、割合の変化を計算します。
自分で確かめよう
確認1:自然選択で変化する主語は?
一個体ではなく、世代を重ねた集団です。集団内の形質割合が変わります。確認2:生存だけでなく繁殖を見る理由は?
形質が次世代へ伝わり、集団の割合を変えるには子孫を残す必要があるからです。確認3:親世代の暗色40%が子世代67%になったとき、親個体の色が変わった?
変わっていません。暗色の親が平均して多く子を残し、子世代で暗色の割合が増えました。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。