LESSON 01

進化に関する資料を考察する

相関・尺度・一部期間による誤読を直そう

「進化に関する資料を考察する」第5段階。相関・切れた軸・期間選択による誤読を直します。

相関・尺度・一部期間による誤読を直そう

このレッスンの役割

このレッスンは「進化に関する資料を考察する」6レッスンの5番目です。ここまでに、設問、軸と条件、仮説と予測、数量比較を学びました。ここでは、グラフからもっともらしい誤結論が生まれる三つの原因を修正します。

完成の目安は、同時変化と因果、切れた縦軸、一部期間だけの傾向を見抜き、資料から言える範囲と追加確認を示せることです。

知る・理解する

資料の値が正しくても、読み方が誤っていれば結論は誤ります。

誤読 何が問題か 確認すること
同時に変わったので原因 第三の要因でも同時変化する 時間順、仕組み、対照条件
線の差が大きく見える 縦軸が途中から始まる 0を含む尺度と実際の差
選んだ期間だけ増加 全期間では逆転する場合がある 設問の期間と全体傾向

同じデータを異なる縦軸で表示する左は0から100の縦軸で52から58への小さな変化、右は50から60の縦軸で同じ変化が大きく見える。グラフの見た目ではなく、目盛りの値を見る100060500から10050から60どちらも52→58の同じ6ポイント増加

縦軸を途中から始めること自体が悪いのではありません。小さな差を読みやすくできます。ただし、見た目の急変を実際の大きさと混同せず、目盛りと数値を読みます。

相関も同様です。気温低下と長毛個体の増加が同時でも、餌の変化や移住が両方へ影響した可能性があります。遺伝性と繁殖差、対照地域などで因果の鎖を確かめます。

具体例で使う

10世代のグラフで、形質Aは第1〜3世代に30%から50%へ増え、第4〜10世代に50%から20%へ減りました。第1〜3世代だけを示せば「Aは増加傾向」と見えますが、全期間の結論は違います。

設問が「環境変化直後の3世代」を聞くなら前半を使います。「10世代全体」を聞くなら、初期増加後に減少したと書きます。期間は都合で選ばず、設問と現象に合わせます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「気温と形質割合が同時に変わったので、気温が原因」は、仕組みと別要因を確かめていません。

「線が急なので割合が何倍にもなった」は、切れた軸の見た目に引っぱられています。

次は、未知の年代・形態・個体数資料を一つの考察へまとめ、根拠、因果、限界、追加資料まで書きます。

自分で確かめよう

確認1:相関だけで因果を確定できない理由は?第三の要因が両方へ影響したり、偶然同時に変化したりする可能性があるからです。
確認2:縦軸が途中から始まるグラフで確認することは?目盛りの開始値、実際の数値差、0から見た変化の大きさです。
確認3:期間を選ぶ基準は?設問で指定された期間と、調べたい現象の時間範囲です。結論に都合よく選びません。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。