体の特徴と生息環境の比較表から関係を読もう
このレッスンの役割
このレッスンは「生活環境に適した体のつくり」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、えら・肺・体表・卵のつくりを、それぞれの働きと環境条件へつなぎました。ここでは、その知識を比較表の読み取りに使います。
完成の目安は、一つの特徴だけで結論を出さず、呼吸・体表・生殖・移動という複数の証拠を組み合わせて、生息環境との関係を説明できることです。
知る・理解する
比較表を読むときは、最初から動物名を当てようとしません。まず、同じ観察項目を横に追います。次に、それぞれの特徴がどの環境条件に対応するかを考え、最後に証拠のまとまりから結論を出します。
| 観察項目 | 魚類に多い特徴 | 両生類に多い特徴 | は虫類に多い特徴 | 環境との主な関係 |
|---|---|---|---|---|
| 成体の呼吸 | えら | 肺と湿った皮膚 | 肺 | 水中または空気中から酸素を得る |
| 体表 | うろこ、粘液 | 湿っている | 乾いたうろこ状 | 水分の保持や皮膚呼吸に関わる |
| 受精 | 体外受精が多い | 体外受精が多い | 体内受精 | 配偶子が乾燥しない場所と関係する |
| 卵 | 殻がなく水中 | 殻がなく水中 | 殻があり陸上も可能 | 発生中の乾燥を防げるかに関わる |
| 移動器官 | ひれ | 四肢 | 四肢 | 水を押すか、体を地面で支えるかに関わる |
この表は「魚類は必ずこう」「は虫類は例外なくこう」という暗記表ではありません。中学校で代表的な特徴を比べ、環境との関係を考えるためのモデルです。
表に関係が見えても、「陸上で暮らしたいという目的があったから殻ができた」とは言えません。表が示すのは、ある特徴と環境の間に見られる関係です。特徴が生まれた目的まで証明するものではありません。
具体例で使う
未知の動物Xについて、次の記録がありました。
| 呼吸 | 体表 | 卵 | 移動器官 |
|---|---|---|---|
| 肺 | 乾燥を抑える体表 | 殻のある卵 | 指のある四肢 |
肺だけなら、クジラのような水中生活の可能性も残ります。しかし、乾燥を抑える体表、殻のある卵、地面で体を支えられる四肢もそろっています。したがって「Xは陸上で生活し、陸上で繁殖できるつくりをもつ可能性が高い」と説明できます。
今度は動物Yが「肺、湿った皮膚、殻のない卵、水かきのある四肢」をもつとします。肺は空気中での呼吸を示しますが、湿った皮膚と殻のない卵は水との強い結びつきを示します。結論は「陸上だけ」ではなく、「水辺を中心に水中と陸上を使う可能性が高い」です。
このように、証拠がすべて同じ方向を指さないこともあります。そのときは、どの生活場面に関わる特徴かを分けます。成体の呼吸と、卵が発生する場所は同じとは限りません。
誤答を直して次の学びへつなげる
「肺があるから陸上動物」と即答するのは、一つの特徴を決定打にした誤りです。肺は空気呼吸の証拠ですが、生息場所全体を一つで決める証拠ではありません。
「殻のある卵は陸上生活のために作られた」という表現も注意が必要です。比較表から言えるのは、殻が水分を保ち、陸上での発生に有利な関係があることです。
次は、「必要になったので一匹の動物が自分の体を変え、その変化を子へ渡した」という誤解を直します。比較表の関係を、進化の目的のように読まないための大切な段階です。
自分で確かめよう
確認1:比較表を読むとき、最初にすることは?
動物名を当てるのではなく、呼吸・体表・卵・移動器官など同じ観察項目をそろえて読みます。確認2:肺だけで陸上生活と決められないのはなぜ?
肺は空気呼吸を示しますが、クジラのように肺をもちながら水中で生活する動物もいるため、体表や生殖、移動器官も必要だからです。確認3:肺、湿った皮膚、殻のない卵をもつ動物から何が推定できる?
空気呼吸をしながら、皮膚の湿りや卵の発生では水に強く依存し、水辺を使う可能性が高いと推定できます。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。