LESSON 01

生活環境に適した体のつくり

体の特徴と生息環境の比較表から関係を読もう

「生活環境に適した体のつくり」第4段階。複数特徴の比較表から生息環境との関係を読みます。

体の特徴と生息環境の比較表から関係を読もう

このレッスンの役割

このレッスンは「生活環境に適した体のつくり」6レッスンの4番目です。前のレッスンでは、えら・肺・体表・卵のつくりを、それぞれの働きと環境条件へつなぎました。ここでは、その知識を比較表の読み取りに使います。

完成の目安は、一つの特徴だけで結論を出さず、呼吸・体表・生殖・移動という複数の証拠を組み合わせて、生息環境との関係を説明できることです。

知る・理解する

比較表を読むときは、最初から動物名を当てようとしません。まず、同じ観察項目を横に追います。次に、それぞれの特徴がどの環境条件に対応するかを考え、最後に証拠のまとまりから結論を出します。

観察項目 魚類に多い特徴 両生類に多い特徴 は虫類に多い特徴 環境との主な関係
成体の呼吸 えら 肺と湿った皮膚 水中または空気中から酸素を得る
体表 うろこ、粘液 湿っている 乾いたうろこ状 水分の保持や皮膚呼吸に関わる
受精 体外受精が多い 体外受精が多い 体内受精 配偶子が乾燥しない場所と関係する
殻がなく水中 殻がなく水中 殻があり陸上も可能 発生中の乾燥を防げるかに関わる
移動器官 ひれ 四肢 四肢 水を押すか、体を地面で支えるかに関わる

この表は「魚類は必ずこう」「は虫類は例外なくこう」という暗記表ではありません。中学校で代表的な特徴を比べ、環境との関係を考えるためのモデルです。

複数の特徴から生息環境との関係を読む比較マトリクス呼吸、体表、卵、移動器官の四つを、水中、水辺、陸上の環境条件と照らし合わせ、一つではなく複数の証拠を結論へ集める。比較表は「縦に集めて、横につなぐ」呼吸体表卵・受精移動器官水中の条件浮力・水中酸素水辺の条件水と陸の両方陸上の条件乾燥・重力・空気複数の証拠が示す方向から結論を出す一つの特徴は手がかり。複数の一致が説明を強くする。

表に関係が見えても、「陸上で暮らしたいという目的があったから殻ができた」とは言えません。表が示すのは、ある特徴と環境の間に見られる関係です。特徴が生まれた目的まで証明するものではありません。

具体例で使う

未知の動物Xについて、次の記録がありました。

呼吸 体表 移動器官
乾燥を抑える体表 殻のある卵 指のある四肢

肺だけなら、クジラのような水中生活の可能性も残ります。しかし、乾燥を抑える体表、殻のある卵、地面で体を支えられる四肢もそろっています。したがって「Xは陸上で生活し、陸上で繁殖できるつくりをもつ可能性が高い」と説明できます。

今度は動物Yが「肺、湿った皮膚、殻のない卵、水かきのある四肢」をもつとします。肺は空気中での呼吸を示しますが、湿った皮膚と殻のない卵は水との強い結びつきを示します。結論は「陸上だけ」ではなく、「水辺を中心に水中と陸上を使う可能性が高い」です。

このように、証拠がすべて同じ方向を指さないこともあります。そのときは、どの生活場面に関わる特徴かを分けます。成体の呼吸と、卵が発生する場所は同じとは限りません。

誤答を直して次の学びへつなげる

「肺があるから陸上動物」と即答するのは、一つの特徴を決定打にした誤りです。肺は空気呼吸の証拠ですが、生息場所全体を一つで決める証拠ではありません。

「殻のある卵は陸上生活のために作られた」という表現も注意が必要です。比較表から言えるのは、殻が水分を保ち、陸上での発生に有利な関係があることです。

次は、「必要になったので一匹の動物が自分の体を変え、その変化を子へ渡した」という誤解を直します。比較表の関係を、進化の目的のように読まないための大切な段階です。

自分で確かめよう

確認1:比較表を読むとき、最初にすることは?動物名を当てるのではなく、呼吸・体表・卵・移動器官など同じ観察項目をそろえて読みます。
確認2:肺だけで陸上生活と決められないのはなぜ?肺は空気呼吸を示しますが、クジラのように肺をもちながら水中で生活する動物もいるため、体表や生殖、移動器官も必要だからです。
確認3:肺、湿った皮膚、殻のない卵をもつ動物から何が推定できる?空気呼吸をしながら、皮膚の湿りや卵の発生では水に強く依存し、水辺を使う可能性が高いと推定できます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。