維管束・種子・花の働きを陸上条件へつなごう
このレッスンの役割
このレッスンは「植物の進化と陸上生活」6レッスンの3番目です。前のレッスンでは、植物の仲間を同じ項目で比較しました。ここでは特徴の名前を覚えるだけでなく、それが何を可能にし、陸上のどの条件と関係するかを説明します。
完成の目安は、根・維管束・クチクラ・気孔・花粉・種子・花・果実を、構造→働き→環境の順でつなげられることです。
知る・理解する
根は土から水や無機養分を吸収し、植物体を固定します。道管は水や無機養分を、師管は葉で作られた養分を運びます。維管束は輸送路であると同時に、体を支えることにも関係します。
クチクラは植物体の表面を覆い、水分の蒸発を抑えます。しかし表面を完全に閉じると二酸化炭素を取り込めません。気孔は開閉して気体交換と蒸散を調節します。乾燥防止と気体交換には、両立させる仕組みが必要です。
花粉は精細胞を運びます。種子は胚を保護し、発芽までの養分を含み、乾燥や不利な時期を越えることに関係します。被子植物の花は受粉を助け、果実は種子を保護し、散布にも関係します。
一つの構造には複数の働きがあります。種子は養分の袋だけではなく、胚の保護、休眠、散布にも関係します。果実も動物に食べられるためだけではなく、風や水、はじける仕組みで散布されるものがあります。
具体例で使う
乾燥した日に気孔を閉じると、水分の損失は減ります。一方、二酸化炭素を取り込みにくくなり、光合成が進みにくくなることがあります。クチクラと気孔は「乾燥を完全に解決した」のではなく、水分保持と気体交換のバランスをとる構造です。
種子をもつ植物では、花粉が風や動物などによって運ばれ、精細胞が胚珠へ届きます。精子が植物体の外の水中を泳いで卵へ向かう必要がありません。受精後、胚は種皮などに保護され、条件が整うまで休眠できます。
果実に翼のような形があれば風、浮きやすい構造なら水、かぎがあれば動物の体への付着など、種子散布との関係を推定できます。ただし、形だけで散布方法を断定せず、実験や観察も必要です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「種子は養分を貯めるだけ」は、胚の保護、休眠、散布を見落としています。
「花は人や虫にきれいに見せるため」は、人間の感想を原因にしています。花の色や香り、形が受粉者との関係をもつ場合はありますが、風媒花のように目立たない花もあります。
「クチクラが厚いほど必ず有利」も誤りです。気体交換との両立や、生息環境の条件を考えます。
次は、これらの特徴と化石年代を比較表にまとめ、植物の変遷を一本道ではなく枝分かれとして組み立てます。
自分で確かめよう
確認1:維管束は陸上生活にどう関係する?
水や養分を体内で運び、体を支えることにも関係するため、葉を高く広げやすくします。確認2:気孔を閉じ続ければ乾燥問題は完全に解決する?
水分損失は減りますが、二酸化炭素を取り込みにくくなり、光合成が進みにくくなるため完全な解決ではありません。確認3:種子の働きを三つ挙げると?
胚を保護する、発芽までの養分をもつ、不利な時期を休眠して越えたり散布されたりすることです。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。