同じ種の中にある共通点と個体差を見つけよう
このレッスンの役割
このレッスンは「同じ種にも個体差がある」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、異なる植物の仲間に共通する特徴と違いを比べました。ここでは見る範囲を一つの種の集団へ近づけ、同じ種でも個体が完全には同じでないことを観察します。
完成の目安は、種に共通する特徴と個体ごとに異なる特徴を分け、個体差を「異常」ではなく集団の中にあるばらつきとして説明できることです。
知る・理解する
同じ種のタンポポを何個体か比べると、花や葉の基本的なつくりは共通しています。一方、草丈、葉の長さ、切れ込みの深さ、花が咲く時期には違いがあります。同じ種であることと、すべての特徴が同じであることは別です。
個体ごとの特徴の違いを個体差といいます。草丈や体重のように、値が少しずつ連続して異なる特徴があります。模様の型や血液型のように、いくつかの種類へ分けて記録しやすい特徴もあります。ただし、測り方や分類の基準は先に決めます。
個体差には、遺伝に関係するもの、育った環境に関係するもの、その両方が関係するものがあります。今は原因を急いで決めず、まず「誰に、どんな差が、どれくらいあるか」を事実として記録します。
具体例で使う
同じ畑にある同じ品種の植物10個体を観察し、葉の長さを測ったところ、7.8〜10.6 cmの間に広がりました。全個体に同じ形の葉がついていますが、長さは完全には同じではありません。
観察事実は「葉の基本的な形は共通し、長さは7.8〜10.6 cmに分布した」です。「日当たりが原因だ」「長い葉が優れている」は、まだ資料から確認していない解釈です。
テントウムシの同じ種でも、はねの色や斑点の見え方が異なる場合があります。模様が違う一個体を見つけても、すぐ別種や異常とは決めません。種の判定には、模様以外の体のつくりや繁殖など複数の特徴が必要です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「同じ種なら、見た目も大きさも全部同じ」は、種の共通点と個体差を混同しています。
「平均から離れた個体は異常」も誤りです。集団には幅があり、平均は集団をまとめる一つの値にすぎません。測定誤差や特別な原因の可能性は調べますが、離れているだけで異常とは決めません。
次は、個体差を思い込みではなくデータで捉えるため、対象の選び方、測定方法、単位、標本数をそろえた調査を設計します。
自分で確かめよう
確認1:同じ種に共通点があっても個体差はある?
あります。基本的な体のつくりを共有しながら、大きさ、色、模様、時期などにばらつきが見られます。確認2:「葉の長さが7.8〜10.6 cmだった」は観察と解釈のどちら?
同じ方法で測った値なら観察事実です。原因の説明はまだ含まれていません。確認3:平均から離れた個体は異常と決めてよい?
決められません。集団のばらつき、測定誤差、標本数、別の原因を調べる必要があります。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。