LESSON 01

同じ種にも個体差がある

同じ種の中にある共通点と個体差を見つけよう

「同じ種にも個体差がある」第1段階。種の共通点と集団内の個体差を観察します。

同じ種の中にある共通点と個体差を見つけよう

このレッスンの役割

このレッスンは「同じ種にも個体差がある」6レッスンの1番目です。前のセクションでは、異なる植物の仲間に共通する特徴と違いを比べました。ここでは見る範囲を一つの種の集団へ近づけ、同じ種でも個体が完全には同じでないことを観察します。

完成の目安は、種に共通する特徴と個体ごとに異なる特徴を分け、個体差を「異常」ではなく集団の中にあるばらつきとして説明できることです。

知る・理解する

同じ種のタンポポを何個体か比べると、花や葉の基本的なつくりは共通しています。一方、草丈、葉の長さ、切れ込みの深さ、花が咲く時期には違いがあります。同じ種であることと、すべての特徴が同じであることは別です。

個体ごとの特徴の違いを個体差といいます。草丈や体重のように、値が少しずつ連続して異なる特徴があります。模様の型や血液型のように、いくつかの種類へ分けて記録しやすい特徴もあります。ただし、測り方や分類の基準は先に決めます。

同じ種の共通点と個体差同じ種の六個体が共通する基本構造をもちながら、高さ、葉の長さ、模様にばらつきがある。共通点と差を別の観察欄へ記録する。同じ種=同じ基本特徴 ただし個体はコピーではない同じ種の6個体観察を分ける共通点・花の基本構造・葉と茎の配置個体差・草丈・葉の長さ一個体の特徴を、種全体の特徴にしない

個体差には、遺伝に関係するもの、育った環境に関係するもの、その両方が関係するものがあります。今は原因を急いで決めず、まず「誰に、どんな差が、どれくらいあるか」を事実として記録します。

具体例で使う

同じ畑にある同じ品種の植物10個体を観察し、葉の長さを測ったところ、7.8〜10.6 cmの間に広がりました。全個体に同じ形の葉がついていますが、長さは完全には同じではありません。

観察事実は「葉の基本的な形は共通し、長さは7.8〜10.6 cmに分布した」です。「日当たりが原因だ」「長い葉が優れている」は、まだ資料から確認していない解釈です。

テントウムシの同じ種でも、はねの色や斑点の見え方が異なる場合があります。模様が違う一個体を見つけても、すぐ別種や異常とは決めません。種の判定には、模様以外の体のつくりや繁殖など複数の特徴が必要です。

誤答を直して次の学びへつなげる

「同じ種なら、見た目も大きさも全部同じ」は、種の共通点と個体差を混同しています。

「平均から離れた個体は異常」も誤りです。集団には幅があり、平均は集団をまとめる一つの値にすぎません。測定誤差や特別な原因の可能性は調べますが、離れているだけで異常とは決めません。

次は、個体差を思い込みではなくデータで捉えるため、対象の選び方、測定方法、単位、標本数をそろえた調査を設計します。

自分で確かめよう

確認1:同じ種に共通点があっても個体差はある?あります。基本的な体のつくりを共有しながら、大きさ、色、模様、時期などにばらつきが見られます。
確認2:「葉の長さが7.8〜10.6 cmだった」は観察と解釈のどちら?同じ方法で測った値なら観察事実です。原因の説明はまだ含まれていません。
確認3:平均から離れた個体は異常と決めてよい?決められません。集団のばらつき、測定誤差、標本数、別の原因を調べる必要があります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。