体色と背景のモデル実験を公平に行おう
このレッスンの役割
このレッスンは「自然選択の考え方」6レッスンの2番目です。前のレッスンでは自然選択の四条件を整理しました。ここでは色紙を昆虫、紙の背景を生息環境、拾う人を捕食者に見立て、背景と見つかりやすさの関係を調べます。
完成の目安は、背景色以外の条件をそろえ、繰り返しと割合を使って結果を比較し、モデルが示せることと示せないことを分けることです。
知る・理解する
明色と暗色の小さな紙片を各20枚用意し、明るい背景と暗い背景に同数ずつ散らします。決めた距離から10秒間で紙片を拾い、拾われなかった割合を比べます。
そろえる条件は、紙片の大きさと形、各色の開始枚数、散らす範囲、見る距離、時間、明るさです。拾う順番の影響を小さくするため、背景の順を入れ替え、複数人で繰り返します。
このモデルは、背景と見つかりやすさの関係を単純化して調べます。紙片は生物ではなく、繁殖も遺伝もしません。そのため、モデルだけで野外の自然選択すべてを証明することはできません。
具体例で使う
暗い背景で、暗色は20枚中15枚、明色は20枚中6枚残りました。暗色の残存率は15÷20×100=75%、明色は6÷20×100=30%です。この試行では暗色が見つかりにくかったと読めます。
しかし一回だけなら、散らし方や拾う人の偶然が影響します。5回繰り返し、背景の順も変えます。明るい背景で逆の傾向が出れば、「どの色が常に強い」ではなく、背景との組合せが見つかりやすさに関係すると考えられます。
野外へ結びつけるには、実際の体色が遺伝するか、捕食後に繁殖数が違うか、世代で体色割合が変わるかという追加資料が必要です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「暗色を30枚、明色を10枚置いて、暗色が多く残った」は開始数が違い、残った枚数だけでは比較できません。割合を求めます。
「紙片実験で進化が起きた」は、モデルと実際の生物を混同しています。調べたのは背景と見つかりやすさの関係です。
次は、モデルで見た生存差を、遺伝と繁殖を含む因果の鎖へつなぎ、個体差から世代変化が起こる仕組みを説明します。
自分で確かめよう
確認1:この実験で変える条件とそろえる条件は?
背景色を変え、紙片の大きさ・形・開始数、範囲、距離、時間、明るさなどをそろえます。確認2:20枚中8枚残ったときの残存率は?
8÷20×100=40%です。確認3:紙片モデルだけで自然選択を証明できる?
できません。遺伝、繁殖、世代ごとの割合変化はモデル外なので、野外資料が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。