形質の割合を計算して世代間の変化を読もう
このレッスンの役割
このレッスンは「進化は世代を重ねた変化」6レッスンの4番目です。前のレッスンで、個体差・遺伝・世代交代のモデルを作りました。ここでは、世代ごとの表を割合へ変え、集団の変化を数量で確かめます。
完成の目安は、形質をもつ個体数÷調査総数で割合を求め、総数の違う世代を正しく比較し、一回の上下と長期的な傾向を区別できることです。
知る・理解する
集団内の形質Xの割合は、次の式で求めます。
形質Xの割合(%)=形質Xをもつ個体数÷調べた全個体数×100
第1世代に形質Xが30匹、第20世代に60匹なら、個体数は二倍です。しかし調査総数が100匹と300匹なら、割合は30%と20%で、集団内の割合は減っています。進化の資料では「何匹いるか」ではなく「集団の何割か」を見る場面が多くあります。
世代ごとの割合が30%、28%、34%、45%、57%のように動く場合、途中に小さな上下があっても、長い範囲では増加傾向と読めます。反対に30%から34%へ一度増えただけで、長期的に増えると断定はできません。
グラフでは、横軸が時間か世代、縦軸が個体数か割合かを必ず確認します。同じ形の線でも、縦軸の意味が違えば結論も変わります。
具体例で使う
形質Xについて次の記録があるとします。
- 第1世代:24匹/120匹=20%
- 第10世代:54匹/180匹=30%
- 第20世代:56匹/140匹=40%
- 第30世代:90匹/180匹=50%
形質Xの個体数は54匹から56匹へほとんど変わらない時期がありますが、割合は30%から40%へ増えています。調査総数が減ったためです。世代間の集団構成を比べるには割合が適切です。
この資料から「形質Xの割合は世代を重ねて増えた」とはいえます。しかし「形質Xが生存に有利だった」とまでは、この表だけではいえません。生存率や子孫数、環境条件の資料が必要です。
誤答を直して次の学びへつなげる
「第30世代は90匹で最も多いから、割合も最大」は、調査総数を確認していません。必ず分母を含む式で比べます。
「第5世代で30%から28%へ下がったので、増加傾向ではない」は、一点間の変化だけを見ています。複数世代の全体を見て、30%から57%へ増えている傾向を読みます。
「割合が増えたので、環境に必要だから個体が変化した」は、データから原因を飛躍させ、個体変化も混同しています。表が直接示すのは集団内割合の世代変化です。
次は、成長・順応・変態・進化を分類し、「必要だから変わる」「進化はいつも優れた方向へ進む」という誤解を直します。
自分で確かめよう
確認1:45匹/150匹の割合は?
45÷150×100=30%です。確認2:60匹/300匹と40匹/100匹では、どちらの割合が高い?
60÷300=20%、40÷100=40%なので、40匹/100匹の方が高いです。確認3:割合が増えた表だけで、その形質が有利だったと断定できる?
できません。生存率、繁殖数、環境など、増えた原因を確かめる追加資料が必要です。クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。