LESSON 01

化石が示す過去の生物

生物の死から化石発見までの過程を描こう

「化石が示す過去の生物」第3段階。埋没・保存・隆起・侵食を時間順に描きます。

生物の死から化石発見までの過程を描こう

このレッスンの役割

このレッスンは「化石が示す過去の生物」6レッスンの3番目です。前のレッスンでは、化石と周囲の地層を観察しました。ここでは、一つの生物が化石として私たちに発見されるまでを時間順にモデル化します。

完成の目安は、死・急速な埋没・堆積・長期間の保存・隆起と侵食・発見を順に説明し、すべての生物が同じように化石になるわけではないと理解することです。

知る・理解する

生物が死ぬと、多くは分解されたり、他の生物に食べられたりします。化石として残るには、泥や砂に早く埋まり、分解や散乱が進みにくいことが重要です。骨、歯、殻など硬い部分は、やわらかい体より残りやすい傾向があります。

その上へ堆積物が重なり、長い時間の中で地層が固まります。体の成分が別の鉱物に置き換わったり、形の跡だけが残ったりする場合もあります。地層が隆起し、上の岩石が侵食され、地表に現れて初めて人が発見できます。

このように多くの条件が必要なので、化石記録には偏りがあります。化石が多い生物が必ず最も多く生息していたとは限らず、化石が見つからない生物が存在しなかったとも限りません。

生物の死から化石発見までの過程生物の死、泥や砂による急速な埋没、堆積と長期保存、地層の隆起と侵食、地表での発見を時間順に示す。化石は「死んだらすぐできる」ものではない生物の死多くは分解急速な埋没泥・砂が覆う堆積・保存長い時間隆起・侵食地表へ近づく発見観察・記録残りやすさ・見つかりやすさに偏りがある

やわらかい体でも、酸素が少なく分解されにくい場所や、細かい泥に急速に埋まるなど特別な条件では残ることがあります。「硬い部分しか絶対に化石にならない」ではなく、「硬い部分が残りやすい」と表現します。

具体例で使う

浅い海にすむ貝が死に、殻が泥にすぐ埋まったとします。泥が酸素をさえぎり、殻が流されにくくなります。その上に堆積物が重なり、地層が固まりました。後に大地が隆起し、川の侵食で地層が露出して、山地で貝化石が見つかりました。

このモデルから、山で見つかったことは、貝が山で生活したことを直接示しません。化石になった時点は海底で、その後に地層が移動・露出した可能性があります。

森林のやわらかい小動物が多数いたのに化石が少なく、海の硬い殻をもつ生物の化石が多いこともあります。化石数は、生息数だけでなく保存条件に左右されます。

誤答を直して次の学びへつなげる

「死んだ生物はすべて化石になる」は、分解・運搬・保存条件を無視しています。化石化はまれな出来事です。

「化石は生物が死んだ瞬間に石になる」は、埋没・堆積・長期保存の時間を抜かしています。出来事を順番に戻しましょう。

「化石が多い生物ほど当時の個体数が必ず多い」は、残りやすさの偏りを考えていません。硬さ、生息場所、埋没条件、発見しやすさも影響します。

次は、複数の地層から見つかった化石の産出表を読み、共通点・相違点と、見つからないことの意味を慎重に判断します。

自分で確かめよう

確認1:化石形成の初期に重要な条件は?死後、泥や砂に比較的早く埋まり、分解や散乱が進みにくくなることです。
確認2:化石が現在の山で見つかるまでに何が起こりうる?海底などで埋没・保存された地層が隆起し、侵食によって地表へ現れることがあります。
確認3:化石数だけで当時の生息数を決められないのはなぜ?体の硬さ、埋没環境、保存、露出、発見しやすさによって化石になりやすさが異なるからです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。