LESSON 01

相同器官という証拠

未知の骨格資料から相同器官の証拠を説明しよう

「相同器官という証拠」第6段階。未知骨格から結論・構造上の根拠・限界を説明します。

未知の骨格資料から相同器官の証拠を説明しよう

このレッスンの役割

このレッスンは「相同器官という証拠」6レッスンの最後です。骨の対応、共通祖先のモデル、比較表、相似器官との区別を、初見の骨格資料へまとめます。

完成の目安は、未知の器官について、相同かどうかの結論、対応する骨の配置という根拠、直接の祖先までは断定できないという限界をそろえて説明できることです。

知る・理解する

未知資料は次の順で処理します。

  1. 体側と器官の向きを確認する。
  2. 体側から一本→二本→手首・指の順を追う。
  3. 比較対象と対応する位置へ印をつける。
  4. 器官の働きは、構造の確認と分けて読む。
  5. 共通構造があれば、共通祖先から受け継いだ可能性を説明する。
  6. 直接の祖先や近さの順位は、追加資料なしに断定しない。

未知の器官Xを既知の前肢と対応させる判断未知の器官Xは体側から一本、二本、多数の骨をもち、ヒトの前肢と対応する。泳ぐ働きでも基本構造から相同器官と判断し、直接祖先の特定はできない。結論・構造の根拠・限界をそろえる未知の器官X働き:泳ぐ判断結論:前肢と相同の可能性根拠:一本→二本→多数解釈:共通祖先から継承限界:直接祖先は不明対応働きだけでなく、対応する構造を根拠にする

記述答案は「器官Xは相同器官と考えられる。なぜなら、体側から一本、二本、多数という骨の位置とつながりが共通するからである」のように、結論と根拠を一続きにします。

具体例で使う

動物Xは水中で暮らし、前肢をひれとして使います。骨格図では、体側から一本の骨、その先に二本、さらに五本の指に対応する骨があります。動物Yは飛び、器官は薄い膜ですが、内部に骨はありません。

動物Xの前肢は、ヒトなどの前肢と同じ基本配置をもつので相同器官と考えられます。動物Yの膜は、飛ぶ働きがコウモリの翼と同じでも、前肢骨格がないため、働きだけを根拠に相同とはいえません。

この判断から共通祖先の可能性は説明できますが、動物Xとヒトのどちらが先に現れたか、どの種が直接の祖先かは決まりません。化石の年代やDNAなどが必要です。

誤答を直して次の学びへつなげる

「Xは泳ぐので魚のひれと相同」は、働きだけを見ています。一本→二本→指という骨格は陸上脊椎動物の前肢との対応を示します。

「同じ骨があるのでXがヒトの祖先」は、共通祖先の証拠を直接祖先の断定へ広げています。

「Yは飛ぶからコウモリと相同」も、内部構造の確認がありません。構造を根拠に戻します。

次の「生活環境に適した体のつくり」では、共通する基本構造が、環境と働きに応じてどのような形へ変わったかを比較します。

自分で確かめよう

確認1:未知の器官で最初に確かめるものは?体側と向きを確認し、骨の位置とつながりを体側から追います。
確認2:相同器官だと説明する根拠は?対応する位置に、同じ基本的な骨の数とつながりがあることです。
確認3:相同器官の証拠から直接の祖先まで決められる?決められません。化石年代や遺伝情報など追加の証拠が必要です。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。