赤血球の薄く変形しやすい形を酸素運搬と結ぼう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、形の特徴が働く条件を変えると学びました。今回は赤血球について、中央がくぼんだ薄い形と変形しやすさが、酸素を運ぶ仕事にどう役立つかを考えます。
完成の目安は、「赤いから酸素を運ぶ」ではなく、酸素の出入りと毛細血管の通過という二つの理由を、形から説明できることです。
知る・理解する
人の赤血球は、中央が少しくぼんだ円盤状です。球に比べて薄い部分が多く、表面から内部までの距離が短くなります。
酸素は赤血球の表面を通って出入りします。表面積が広く、内部までの距離が短いほど、酸素を受け取ったり渡したりしやすくなります。
また、赤血球は変形しやすく、直径が赤血球と同程度か、それより細い毛細血管も通ります。体のすみずみまで酸素を届けるには、血液の中に浮くだけでなく、細い通り道を進める必要があります。
人を含む哺乳類の成熟した赤血球には核がありません。その分、酸素を運ぶヘモグロビンを多く含められます。ただし、このレッスンの中心は核の有無の暗記ではなく、薄さと変形しやすさの意味です。
例題で使う・転用する
同じ体積の細胞AとBがあります。Aは球に近く、Bは薄い円盤状です。酸素が表面から内部へ移動するとき、短い距離で広い表面を使えるのはBです。
さらに、細い管を通す実験で、Aは入口で止まり、Bは形を変えて通りました。この結果は、Bの形が物質の出入りだけでなく、体の細部への運搬にも向くことを示します。
記述では「薄いので酸素が移動する距離が短く、変形しやすいので細い毛細血管を通れる。そのため酸素を体のすみずみへ運びやすい」と二つの因果を分けます。
よくある間違いを直す
「赤血球が縮んで血液を押す」は誤りです。血液を送り出す主な力は心臓の働きです。赤血球は血液とともに流れ、酸素を運びます。
「赤血球は完全な球」も誤りです。正面からの模式図だけでなく、横から見た薄さや中央のくぼみを確認します。
「小さければ小さいほどよい」とも限りません。酸素を十分に運ぶ内容量も必要です。形には、出入りのしやすさと運べる量の両方が関係します。
理解チェックと次の一歩
確認1:赤血球が薄いことの利点は?
酸素が出入りする表面が広くなり、表面から内部までの距離も短くなるため、酸素を受け渡ししやすくなります。確認2:変形しやすさは何に役立つ?
体のすみずみにある細い毛細血管を通り、酸素を届けることに役立ちます。確認3:赤血球が血液を押し出すという説明はなぜ誤り?
血液を送り出す力は主に心臓がつくり、赤血球は血液とともに流れて酸素を運ぶからです。次は、物質を運ぶ細胞から情報を伝える細胞へ進みます。神経細胞の長い突起と枝分かれを、それぞれ別の働きに結びます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。