LESSON 01

組織から器官・個体へ

動物の器官は複数の組織で働くと理解しよう

「組織から器官・個体へ」第2段階。胃を例に複数の組織の協働を理解します。

動物の器官は複数の組織で働くと理解しよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、複数の組織が組み合わさって器官をつくると学びました。今回は胃を例に、一つの器官の中で異なる組織が別々の仕事を受け持つことを確かめます。

完成の目安は、「胃は食べ物を消化する」と結論だけを言うのではなく、その働きを支える組織を二つ以上結びつけて説明できることです。

知る・理解する

胃は袋のような形をした器官ですが、ただの容器ではありません。内側をおおう部分、縮んで動かす部分、刺激を受け取って動きを調整する部分などが組み合わさっています。

胃にある組織の役割 何をするか 器官全体への貢献
内側をおおう組織 消化液を出し、壁を守る 食べ物を分解しながら自分の体を傷めにくくする
筋組織 縮んだりゆるんだりする 食べ物と消化液を混ぜ、先へ送る
神経組織 刺激による情報を伝える 食べ物の量などに応じて動きを調整する

胃をつくる複数の組織と働き胃の断面を内側をおおう組織、筋組織、神経組織の三層で示し、消化・混合・調整に対応させる内側:出す・守る筋:混ぜる・送る神経:動きを調整

胃全体の「消化して先へ送る」という働きは、どれか一つの組織だけでは完成しません。消化液を出しても混ざらなければ効率が下がり、動かすだけでも食べ物は十分に分解されません。

例題で使う・転用する

ある動物の器官から筋組織の働きだけが弱くなったとします。消化液の量は変わりません。食べ物の処理にどんな変化が起こりやすいでしょうか。

消化液は出ても、食べ物と十分に混ざりにくく、先へ送る力も弱くなると予想できます。ここでは「筋組織の収縮低下→混合と移動の低下→器官全体の働き低下」という段階で説明します。

心臓にも同じ考えを使えます。筋組織が血液を押し出し、内側をおおう組織が滑らかな通り道をつくり、神経などが拍動の調整に関わります。

よくある間違いを直す

「胃は筋組織でできている」は一部だけを全体に広げた説明です。筋組織を含みますが、複数の組織が組み合わさっています。

「消化は消化液だけの仕事」も不十分です。物質を出す、混ぜる、送る、調整する働きが協力します。

器官の模式図で層が色分けされていても、実物がその色とは限りません。色は区別のためであり、位置と働きに注目します。

理解チェックと次の一歩

確認1:胃の筋組織は何に役立つ?縮んだりゆるんだりして食べ物と消化液を混ぜ、食べ物を先へ送ることに役立ちます。
確認2:胃を一つの組織と呼べないのはなぜ?内側をおおう組織、筋組織、神経組織など、異なる働きの複数の組織からできているからです。
確認3:筋組織だけが弱ったときの影響を因果で書こう収縮が弱くなるため、食べ物の混合と移動が不十分になり、胃全体の働きが低下すると考えられます。

次は植物の葉を器官として見ます。動物と形は違っても、複数の組織が協力するという原理は同じです。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。