細胞が異なる働きを受け持つ役割分担を理解しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、細胞分裂によって細胞数が増え、多細胞生物が成長することを学びました。増えた細胞は、すべて同じ場所で同じ仕事をするわけではありません。
このレッスンの仕事は、同じ個体の細胞が異なる働きを受け持つ「役割分担」を、動物と植物の例から説明することです。細胞の詳しい形は後で扱い、ここでは仕事の違いに集中します。
知る・理解する
多細胞生物では、細胞によって働きが異なります。動物では、体を動かす細胞、情報を伝える細胞、酸素を運ぶ細胞などがあります。植物では、光合成を行う細胞、水を取り入れる細胞、表面を守る細胞などがあります。
役割分担には二つの意味があります。
- 一つの仕事を効率よく担当できる。
- 別の細胞が行う仕事の結果を受け取り、個体全体として複雑な生活ができる。
ただし「担当外の生命活動をまったくしない」という意味ではありません。どの細胞も自分自身の物質利用や内部状態の維持を行います。そのうえで、個体の中で特に受け持つ仕事が違います。
例題で使う・転用する
例題:運動中、筋肉の細胞は活発に働きます。しかし筋肉の細胞だけでは活動を続けられません。赤血球などの働きと結びつけて説明しましょう。
筋肉の細胞が働くには酸素や養分が必要です。赤血球は酸素を運び、別のしくみが養分を届けます。筋肉の細胞が出した二酸化炭素なども運び去られます。
答え:筋肉の細胞が収縮する役割を担い、赤血球などが酸素を運ぶ役割を担って物質を受け渡すため、個体は運動を続けられる。
転用:葉の細胞が光合成でつくった養分は、葉だけでなく根や成長中の部分でも使われます。根の細胞が取り入れた水は葉へ運ばれます。植物でも役割分担と協力があります。
よくある間違いを直す
誤り1:「同じ個体の細胞なら、形も働きも全部同じ」
基本構造には共通点がありますが、受け持つ働きは異なります。
誤り2:「違う働きの細胞は、別の生物」
異なる細胞でも同じ個体の一部としてつながり、協力します。
誤り3:「役割分担した細胞は、他の細胞なしでも生きられる」
必要な物質や情報を他の細胞から受け取るため、互いに依存します。
理解チェックと次の一歩
確認1:多細胞生物の役割分担とは?
同じ個体の細胞が、運動・運搬・情報伝達・光合成・吸収など異なる仕事を主に受け持つことです。確認2:役割が違っても同じ個体の細胞と言える根拠は?
細胞どうしが物質や情報を受け渡し、一個体の生活を共同で支えているからです。確認3:筋肉の細胞だけで運動を続けられないのはなぜ?
酸素や養分の供給、不要物の運搬、情報の伝達などを別の細胞の働きに頼るからです。異なる細胞の仕事を個体全体の生活へ結びつけられれば完了です。次は、役割の違う細胞が物質を受け渡して協力する因果を詳しく考えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。