細胞から個体までの階層を見通そう
このレッスンの役割
「生物の体をつくる基本単位」6本の4本目です。前のレッスンで、細胞は生命活動を行う単位だと学びました。ここでは、多細胞生物の体を「細胞→組織→器官→個体」という階層で見通します。
今日のゴールは、それぞれの言葉を大きさ順に暗記するだけでなく、「何が集まり、どんな働きを担うか」を一文で説明することです。組織や器官の細かな種類は後の専用セクションで深めるため、今は全体地図を作ります。
知る・理解する
似た形や働きをもつ細胞が集まると組織になります。いくつかの組織が組み合わさり、まとまった働きをするものが器官です。複数の器官が連携し、一つの生物として生命活動を行うまとまりが個体です。
例えばヒトでは、筋細胞が集まって筋組織をつくり、筋組織など複数の組織が組み合わさって胃という器官をつくります。胃だけでは個体を保てず、腸・心臓・肺などの器官と連携します。
植物でも同じ見方ができます。葉の細胞が集まって組織をつくり、複数の組織が合わさって葉という器官になります。細胞の形や器官名は違っても、基本単位からまとまりができる考え方は共通です。
例題で使う・転用する
次の四つを階層で整理します。「筋細胞」「筋組織」「胃」「ヒト」。
小さい順は筋細胞→筋組織→胃→ヒトです。しかし答案では順番だけで終わらず、「筋細胞が集まって筋組織となり、筋組織を含む複数の組織が胃をつくり、胃などの器官が連携してヒトという個体をつくる」と関係を書きます。
未知の資料に「同じ形の細胞が層になり、表面を覆っている」とあれば、その層は組織と考えられます。「その層と別の層が組み合わさって葉をつくる」なら、葉は器官です。主語がどの階層かを印で示すと混乱しません。
よくある間違いを直す
「組織は小さい器官」という覚え方だけでは、関係が分かりません。組織は似た細胞の集まり、器官は複数の組織が組み合わさったまとまりです。
「細胞が大きくなると、そのまま器官になる」も誤りです。多細胞生物の器官は、通常、多数の細胞と複数の組織の協力でできています。
理解チェックと次の一歩
確認1:組織とは何?
似た形や働きをもつ細胞が集まったまとまりです。確認2:器官と個体の違いは?
器官は複数の組織が組み合わさって特定の働きをするまとまり、個体は複数の器官が連携して生きる一つの生物です。確認3:「葉」はどの階層?
複数の組織が組み合わさり、光合成などのまとまった働きをする器官です。細胞から個体までを、包含関係と働きで見通せました。次は、細胞の写真や模式図について起こりやすい三つの誤解を、証拠を使って修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。