組織は似た形と働きの細胞のまとまりだと理解しよう
このレッスンの役割
前のセクションでは、多細胞生物の中で細胞が役割分担し、互いに協力することを学びました。今回は、その役割分担が体の中でどのようなまとまりになっているかを考えます。
完成の目安は、組織を「細胞がたくさんある場所」ではなく、似た形をもち、共通する働きをする細胞のまとまりとして説明できることです。図を見たら、細胞一個と細胞のまとまりを指で区別しながら読みましょう。
知る・理解する
顕微鏡で生物の体を見ると、一個の細胞だけでなく、よく似た細胞が同じ向きに並んだ部分が見つかります。このように、形やつくりが似ていて、共通する働きをする細胞のまとまりを組織といいます。
大切なのは、数だけではありません。たまたま近くにある細胞をすべて一つの組織と呼ぶのではなく、次の三つを見ます。
| 見る観点 | 確かめること |
|---|---|
| 形やつくり | 似た特徴をもつ細胞が繰り返されているか |
| 並び方 | 連続して層や束などをつくっているか |
| 働き | 守る、縮む、運ぶなど共通する仕事に関わるか |
図の右側では、似た形の細胞が切れ目なく並んでいます。細胞一個が急に大きくなったのではありません。一個一個の境界があり、その集まりが一つの働きを支えています。
例題で使う・転用する
ある顕微鏡像に、平たい細胞がすき間なく一列に並ぶ部分がありました。研究者は、その部分が外側をおおっていることも確かめました。この部分を組織と考えられるのはなぜでしょうか。
まず「平たい細胞が繰り返される」が形の証拠です。次に「すき間なく一列」が並び方の証拠です。そして「外側をおおう」が共通する働きの証拠です。したがって、似た細胞がまとまって外側を守る組織だと説明できます。
別の像で、丸い細胞と細長い細胞が少数ずつ散らばっているだけなら、像だけで一つの組織とは断定できません。どのように連続し、何をしているかという追加の証拠が必要です。
よくある間違いを直す
「細胞が二個以上あれば組織」は誤りです。組織では、数に加えて形・配置・働きのつながりを確かめます。
「組織は大きな細胞」は誤りです。顕微鏡像で一個ごとの境界や核を追えば、多数の細胞からできていると分かります。
また、組織の細胞が完全に同じコピーである必要はありません。中学校では「似た形と共通する働きをもつまとまり」と捉えます。細部に違いがあっても、一緒に同じ仕事を支える場合があります。
理解チェックと次の一歩
確認1:組織を一文で説明しよう
組織は、形やつくりが似ていて、共通する働きをする細胞のまとまりです。確認2:細胞が密集していれば組織と断定できる?
断定できません。似た形の繰り返し、規則的な配置、共通する働きなどの証拠を確かめます。確認3:像に細胞の境界が多数見えることから何が分かる?
一個の巨大な細胞ではなく、多数の細胞がまとまりをつくっていることが分かります。次は、動物の体に見られる組織を比べます。今回の三つの観点を使い、形と働きがどう結びつくかを確かめます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。