根毛細胞の長い突起が吸収面積を広げると説明しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、神経細胞の長い突起を情報が届く距離に結びました。今回は同じ「長い突起」でも働きが違う根毛細胞を扱い、土と触れる面積から水や無機養分の吸収を説明します。
完成の目安は、根毛を小さな根と誤解せず、一個の細胞の一部が細長く伸びたものとして捉え、突起の長さや本数と吸収量のデータを読めることです。
知る・理解する
根の先端に近い部分には、表面の細胞から細長く伸びた根毛が多数あります。根毛は、多細胞でできた細い根ではなく、根の表面にある一個の細胞の突起です。
土は均一な水のかたまりではありません。粒と粒のすき間に水があり、根毛がそのすき間へ伸びることで、根が土と触れる面積が広がります。
突起が長く、根毛の数が多いほど、土と接する総面積は大きくなります。面積が広がると、水や水に溶けた無機養分が細胞へ入る場所も増えます。
例題で使う・転用する
同じ大きさの根を二つ比べました。根Aには根毛がほとんどなく、土と触れる表面積を1とします。根Bには多数の根毛があり、表面積は根Aの8倍でした。同じ条件で1時間置くと、根Bが吸収した水は根Aの約6倍でした。
表面積が8倍でも吸収量は6倍なので、完全な比例ではありません。それでも、根毛がある方が土との接触面積と吸収量の両方で大きいことから、長い突起が吸収に役立つと説明できます。
差が8倍と6倍になる理由には、土の水分のむらや、細胞内外の条件などが考えられます。この資料だけで一つに決めず、「表面積以外の条件も影響する」と範囲を示します。
よくある間違いを直す
「根毛は細い根」は誤りです。根毛は、根の表面の一個の細胞から伸びた突起です。
「長いので水を遠くへ運ぶ」と神経細胞と同じ説明を当てはめないようにします。根毛では、土と触れる面積と範囲が広がることが中心です。吸収した水を上へ長距離運ぶ働きは、根や茎の別の組織が担います。
「表面積が2倍なら吸収量も必ず2倍」とも限りません。水分量や温度など、ほかの条件も吸収に影響します。
理解チェックと次の一歩
確認1:根毛とは何?
根の表面にある一個の細胞から細長く伸びた突起です。確認2:長い突起が吸収に役立つ理由は?
土の粒の間へ伸び、土と触れる表面積と範囲を広げるため、水や無機養分が入る場所が増えるからです。確認3:表面積と吸収量が完全に比例しないとき、何を考える?
土の水分、温度、細胞内外の条件など、表面積以外の要因も影響すると考えます。次は、三種類の細胞を比較し、形を見ただけで働きを決めつける誤答や、「必要だからその形になった」という説明を修正します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。