LESSON 01

顕微鏡像の倍率と大きさ

未知の顕微鏡資料から倍率と実寸を統合して求めよう

「顕微鏡像の倍率と大きさ」第6段階。複数資料から必要な関係を選んで実寸を求めます。

未知の顕微鏡資料から倍率と実寸を統合して求めよう

このレッスンの役割

このセクションの最後です。総合倍率、視野直径、視野面積、細胞数、実寸と単位を、問題の目的に応じて選んで使います。

完成の目安は、すべての数字を無理に使わず、求める量から逆向きに必要な関係を選び、結果が資料全体と矛盾しないか検算できることです。

知る・理解する

初見問題では、先に「何を求めるか」を決めます。

  1. 総合倍率なら、接眼倍率×対物倍率。
  2. 新しい視野直径なら、倍率と反比例。
  3. 視野全体の細胞数なら、視野面積の比。
  4. 一個の実寸なら、視野直径÷直径上の個数。
  5. 最後に単位と近似条件を確認する。

顕微鏡資料で求める量から必要な関係を選ぶ総合倍率、視野直径、視野全体の個数、細胞実寸の四つの問いを、それぞれ積、反比例、面積比、直径割る個数へ対応させる総合倍率接眼×対物視野直径倍率と反比例視野全体の個数面積の比細胞の実寸直径÷一列の個数単位・桁・資料との一致を検算mm ↔ μm、約の条件

画面上の写真が大きく表示されても、細胞の実寸は変わりません。倍率の記載、視野直径、スケールバーなど、標本に結びついた基準を使います。

例題で使う・転用する

顕微鏡Aは接眼10倍・対物10倍で、視野直径は1.8 mmです。顕微鏡Bは同じ接眼レンズで対物40倍です。Bの視野直径上に細胞が約9個並びました。一個の長さを求めます。

  1. Aの総合倍率は10×10=100倍。
  2. Bの総合倍率は10×40=400倍。
  3. 倍率は4倍なので、Bの視野直径は1.8÷4=0.45 mm。
  4. 一個の長さは0.45÷9=0.050 mm。
  5. 0.050 mm=50 μm。

答えは約50 μmです。Bの視野に9個並ぶなら、9×0.050=0.45 mmとなり、視野直径に戻るので検算できます。

よくある間違いを直す

問題文の数字をすべて使う必要はありません。視野全体の細胞数が書かれていても、直径上の個数が分かれば実寸計算にはそちらを使います。

写真をスマートフォンで拡大して定規で測っても、実寸は求まりません。表示倍率は変えられるため、スケールバーや視野直径が必要です。

二枚の写真で細胞の見かけの大きさが違っても、同じ標本を異なる倍率で撮っただけかもしれません。倍率と視野の対応を計算してから、生物学的な大きさの違いを判断します。

理解チェックと次の一歩

確認1:400倍の視野直径0.60 mmに12個並ぶ細胞の実寸は?0.60÷12=0.050 mm=約50 μmです。
確認2:100倍から500倍にすると視野直径はどうなる?倍率は5倍なので、同じ装置なら視野直径はおよそ1/5になります。
確認3:計算後に行う三つの検算は?単位が問いに合うか、桁が不自然でないか、個数×実寸が視野直径など元の資料と一致するかを確認します。

次のセクションでは、顕微鏡写真と模式図を読み比べます。ここで身につけた倍率・スケール・実寸の判断が、「図で大きく描かれたものが実物でも大きい」という誤解を防ぎます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。