倍率・視野・像の動きを一つのモデルで理解しよう
このレッスンの役割
「顕微鏡観察の準備」6本の4本目です。低倍率で対象を見つけた後、高倍率にすると何が変わるかを扱います。計算・視野・像の動きを別々に暗記せず、一つの光学的な見え方として整理します。
今日のゴールは、総合倍率を計算し、倍率を上げると像は大きく、視野は狭く暗くなること、プレパラートと像は逆向きに動くことを予測することです。
知る・理解する
総合倍率は「接眼レンズの倍率×対物レンズの倍率」です。接眼10倍・対物40倍なら、総合倍率は400倍です。足し算ではありません。
倍率を上げると、低倍率の視野中央にあった一部を拡大して見ることになります。だから対象を中央へ置いてからレボルバーを回します。高倍率では光量が不足しやすいため、しぼりを調整します。
顕微鏡の像は上下左右が逆に見えます。像を視野の中央へ動かしたいときは、プレパラートを像が動いてほしい向きと反対へ動かします。例えば像が右上にあり中央へは左下へ動かしたいなら、プレパラートは右上へ動かします。
例題で使う・転用する
接眼レンズ10倍、対物レンズ4倍で観察中です。対物レンズを40倍へ変えると、総合倍率は40倍から400倍へ10倍になります。像の長さは大きく見えますが、視野に入る範囲は狭くなり、見える細胞数は減ります。
問「像が視野の左にある。中央へ動かすにはプレパラートをどちらへ動かすか。」像は右へ動かしたいので、プレパラートは左へ動かします。「像と反対」と丸暗記するより、まず像をどちらへ動かしたいか矢印を書くと確実です。
よくある間違いを直す
「高倍率ほど広い範囲を詳しく見られる」は誤りです。詳しく見える代わりに、範囲と明るさを失います。
「接眼10倍と対物40倍で50倍」も誤りです。二段階で拡大するため掛け算し、400倍です。
理解チェックと次の一歩
確認1:接眼15倍、対物10倍の総合倍率は?
15×10=150倍です。確認2:倍率を上げると視野と明るさはどうなる?
視野は狭くなり、一般に暗くなります。確認3:像を右へ動かしたいとき、プレパラートは?
左へ動かします。像とプレパラートは逆向きに動いて見えます。倍率・視野・明るさ・像の動きを関連づけられました。次は「見えない」とき、症状から原因を切り分けて安全に直します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。