LESSON 01

細胞と生物の体の入試総合

未知の細胞資料を統合して入試記述を完成させよう

「細胞と生物の体の入試総合」第6段階。未知資料から証拠・仕組み・結論をつないで記述します。

未知の細胞資料を統合して入試記述を完成させよう

このレッスンの役割

このコースの最終レッスンです。操作・構造・階層・数量を、自分で選び、初めて見る資料へ使います。

完成の目安は、答えだけでなく「資料の証拠→使う仕組み→結論」の三段をつないだ記述ができ、資料から言えないことも区別できることです。

知る・理解する

初見問題では、先に知識を探すのではなく、問いから必要な仕事を決めます。

  1. 問われているものに下線を引く。
  2. 操作・構造・階層・数量のどれを使うか決める。
  3. 図の凡例、倍率、単位、向き、標本条件を確認する。
  4. 観察できる事実を一文で書く。
  5. その事実を説明する仕組みを一つ選ぶ。
  6. 言える範囲に限定して結論を書く。

入試記述を証拠・仕組み・結論で組み立てる資料の証拠から既習の仕組みを選び、問われた結論へつなぐ三段構造資料の証拠何が見えるか既習の仕組みなぜそうなるか問われた結論何が言えるか

具体例で使う

入試型資料を考えます。写真Aでは厚い境界をもつ細胞が規則正しく並び、写真Bでは境界が薄く形が不規則です。Aの視野直径は1.2 mmで、横に細胞が約12個並びます。

問1:Aを植物細胞と考える根拠は何か。

解答例:「細胞膜の外側にある細胞壁と考えられる厚い境界が連続し、細胞が規則正しく並んでいるから。」単に「四角いから」ではなく、構造を根拠にします。

問2:Aの細胞一個の幅を求める。

1.2÷12=0.10 mm、すなわち約100 μmです。「約」が必要なのは、細胞にすき間や大きさの違いがあるためです。

問3:この写真は体のどの階層を示すか。

同じような細胞が多数集まり、連続したまとまりをつくるので、組織の一部と考えます。器官名までは写真だけで確定できません。

誤答を直して次の学びへつなげる

記述で多い不足は、用語だけを書くことです。「細胞壁がある」だけでは、何を説明したいのかが分かりません。「厚い境界が連続して見えるため、細胞壁をもつ植物細胞と考えられる」と、証拠と結論を接続します。

反対に、資料を越えて言いすぎることもあります。葉緑体が写っていない資料から「光合成をしない植物である」とは断定できません。染色、焦点、部位によって見えない可能性があります。「この写真では確認できない」と「存在しない」を分けます。

最後に、計算結果と生物学的意味を別々にしません。大きさを求めたら、それが細胞一個の実寸なのか、視野の直径なのかを言葉で確かめます。

自分で確かめよう

確認1:初見資料で最初に知識を書き出すべき?いいえ。まず問いを確認し、操作・構造・階層・数量のどの技能が必要か決めます。
確認2:「資料では核が見えない」から「核が存在しない」と言える?通常は言えません。染色や焦点、切断面などの条件で見えない可能性があるため、資料で確認できないという範囲にとどめます。
確認3:入試記述の三段構造は?資料の証拠、既習の仕組み、問われた結論です。この順でつなぐと、知識だけ・感想だけの答案を防げます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。