植物と動物に共通する細胞を比べよう
このレッスンの役割
「生物の体をつくる基本単位」6本の2本目です。前のレッスンでは、植物にも動物にも小さな区画が繰り返していることを見つけました。ここでは二つの像を同じ観点で比較し、細胞としての共通点を言葉にします。
今日のゴールは、「見える・見えない」と「ある・ない」を区別しながら、植物細胞と動物細胞に共通するつくりを答えることです。植物だけに目立つつくりの詳しい働きは後のセクションへ残します。
知る・理解する
中学校で比べる代表例は、植物のタマネギ表皮細胞と、動物のヒトのほおの内側の細胞です。どちらにも、細胞の内外を分ける細胞膜、内部を満たす細胞質、染色すると見やすくなる核があります。
| 比較する観点 | 植物細胞 | 動物細胞 | 共通か |
|---|---|---|---|
| 細胞膜 | ある | ある | 共通 |
| 細胞質 | ある | ある | 共通 |
| 核 | 多くの観察例で見える | 多くの観察例で見える | 共通 |
| 細胞壁 | ある | ない | 植物側の特徴 |
| 葉緑体 | 葉などでは見える | ない | 一部の植物細胞の特徴 |
顕微鏡像に核が見えないことがあります。染色が弱い、焦点が合っていない、切片が核を通っていないなどの可能性があるため、「見えないから存在しない」とはすぐに言えません。観察条件と教科書のモデルを区別します。
例題で使う・転用する
資料Aは四角い区画が並び、外側の厚い境界と内側の薄い境界が見えます。資料Bは不規則な形で、薄い境界と染まった丸い部分が見えます。
問「AとBがともに細胞である根拠を一つ書きなさい。」
「どちらにも細胞膜で囲まれた細胞質があり、核が見えるから」と答えます。Aが植物、Bが動物と分類する理由には、Aに細胞壁が見えることも使えます。ただし葉緑体が見えないだけでAを動物細胞とは判断できません。タマネギの地下部分の細胞のように、植物でも葉緑体が目立たないものがあります。
よくある間違いを直す
「植物細胞と動物細胞は形が違うので、共通点はない」は誤りです。外形が違っても、細胞膜・細胞質・核という基本を共有します。
「植物細胞にはすべて葉緑体がある」も誤りです。葉緑体は光合成を行う部分で発達します。根やタマネギの鱗片葉など、観察しても葉緑体が見えない植物細胞があります。
理解チェックと次の一歩
確認1:植物細胞と動物細胞に共通する三つは?
細胞膜、細胞質、核です。確認2:写真に核が見えなければ、その細胞に核はない?
断定できません。染色、焦点、切片の位置など、観察条件で見えない可能性があります。確認3:葉緑体が見えない細胞を動物細胞だと決めてよい?
決められません。植物でも部位によって葉緑体が見えない細胞があります。細胞壁など別の特徴も調べます。形の違いだけに引っぱられず、植物と動物の細胞に共通する基本を説明できました。次は細胞を単なる材料ではなく、生きる働きをもつ単位として考えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。