LESSON 01

細胞から組織へ

細胞の集まりと組織を観察根拠から区別しよう

「細胞から組織へ」第5段階。似た形・配置・働きの証拠から組織を判断します。

細胞の集まりと組織を観察根拠から区別しよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、細胞が層・束・通り道になることで、一個の細胞には難しい働きが生まれると学びました。今回は、顕微鏡像に細胞がたくさん写っているだけで組織と決める誤りを直します。

完成の目安は、未知の像について「組織である」「組織の可能性がある」「この像だけでは判断できない」を、証拠の強さに合わせて言い分けられることです。

知る・理解する

組織を判断するときは、三つの証拠を順に集めます。

  1. 似た特徴:同じような形やつくりの細胞が繰り返される。
  2. 組織だった配置:層、束、列などとして連続している。
  3. 共通する働き:集まり全体が、守る、縮む、運ぶなどの仕事に関わる。

組織と判断しやすい像と判断できない像左は似た細胞が層をつくり働きも確かめられた像、右は異なる細胞が偶然近くにあるだけの像似た形+連続した層+働き組織と判断しやすい形も配置もばらばらこの像だけでは判断不可

三つがすべて直接見えるとは限りません。顕微鏡像から形と配置が分かっても、働きは実験や位置の情報がないと確定できない場合があります。そのときは「組織の可能性がある」と表現し、断定を避けます。

例題で使う・転用する

資料Aには、同じような長方形の細胞が何列にも整って並んでいます。資料Bには、種類の違う細胞が液体の中に散らばっています。説明文には、Aの部分が植物の表面を連続しておおうとあります。

Aは、似た形、規則的な配置、表面をおおう働きの三つがそろうため、組織と判断できます。Bは細胞が複数あることは分かりますが、共通の配置や働きが示されていないため、この資料だけでは一つの組織と断定できません。

入試の記述では「細胞が多いから」だけで止めず、「似た形の細胞が連続した層をつくり、表面をおおう共通の働きをするから」と証拠を二つ以上結びます。

よくある間違いを直す

「接している細胞はすべて同じ組織」は誤りです。異なる組織どうしが境界で接することもあります。境界の両側で形や並びが変わるなら、別のまとまりかもしれません。

反対に「組織内の細胞は完全に同じ形でなければならない」も厳しすぎます。似た特徴と共通する働きをもち、まとまりとして組織化されているかを見ます。

一枚の写真だけで働きまで言い切る誤りにも注意します。写真が示すのは主に形と配置です。位置情報、時間変化、染色、実験結果などが、働きの判断を強めます。

理解チェックと次の一歩

確認1:組織を判断する三つの観点は?似た形やつくり、層・束・列などの規則的な配置、共通する働きです。
確認2:似た細胞が並ぶ写真だけで、働きまで断定できる?断定できない場合があります。位置や実験結果など、働きに関する追加の証拠が必要です。
確認3:組織内の細胞はすべて完全に同じ形?必ずしも完全に同じではありません。似た特徴をもち、共通する働きをまとまりとして支えることが大切です。

次は、名前のない未知の顕微鏡像にこの判断基準を使います。主張・証拠・理由の順で、組織の働きまで説明します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。