植物の組織を並び方と働きから見分けよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、動物の組織を層・束・長いつながりから見分けました。今回は植物の体でも、細胞の位置と並び方が働きに合っていることを確かめます。
完成の目安は、植物細胞をすべて同じものとして扱わず、表面、光の当たる内部、水や養分の通り道という位置から、そのまとまりの働きを説明できることです。
知る・理解する
植物の体も一種類の細胞だけでできているわけではありません。場所によって、形・含まれるつくり・並び方が違います。
| 細胞のまとまり | 位置・並び方 | 働きとのつながり |
|---|---|---|
| 表面をおおう細胞 | 外側にすき間少なく一層に並ぶ | 内部を守り、水分が失われすぎるのを防ぐ |
| 光合成する細胞 | 光の届く部分に多く、葉緑体をもつ | 光を受けて養分をつくる |
| 水や養分を運ぶ細胞 | 細長い細胞が縦につながる | 離れた場所へ物質を通す道になる |
図で葉緑体をもつ細胞が表面ではなく少し内側に描かれているのは、外から入った光を受けられる位置だからです。一方、根の内部など光がほとんど届かない場所の細胞に、葉緑体が目立つとは限りません。
例題で使う・転用する
未知の植物の茎を縦に切ると、細長い細胞が上下につながる列が見えました。色水に根元をつけると、時間とともにその列の一部が上まで染まりました。
観察事実は「細長い細胞が上下につながる」と「色水が同じ列を上へ進む」です。形と変化を結ぶと、このまとまりは水などを通す働きに関わると説明できます。名前を知らなくても、証拠から働きを推定できます。
葉の表面に平たい細胞がすき間少なく並ぶ資料なら、外側を連続しておおう配置から、内部を守る働きを予想できます。
よくある間違いを直す
「植物細胞には必ず葉緑体がある」は誤りです。葉緑体が目立つかどうかは、その細胞がある場所と働きに関係します。タマネギのりん葉の表皮や根の細胞では目立ちません。
形が似ているだけで、同じ組織と決めることもできません。位置や連続の仕方、物質が実際に通るかなど、働きの証拠を加えます。
また、模式図の上下を、そのまま植物全体の上下だと思わないようにします。切り方と図の向きを先に確認します。
理解チェックと次の一歩
確認1:表面の細胞がすき間少なく並ぶ意味は?
連続した境界をつくり、内部を守ったり水分の失われすぎを防いだりできます。確認2:根の細胞に葉緑体が目立たなくても植物細胞といえる?
いえます。すべての植物細胞に葉緑体が目立つわけではなく、場所と働きによって異なります。確認3:縦につながる細胞列を色水が通った。何を説明できる?
その細胞のまとまりが、水などを離れた場所へ運ぶ働きに関わると説明できます。次は、細胞が一個ずつ別々に働くのではなく、集まって並ぶことで何が可能になるかを、原因と結果で説明します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。