LESSON 01

一個の細胞で生きる生物

単細胞生物と多細胞生物の一細胞を区別しよう

一細胞が一個体か、多細胞生物の一部かを、生命活動と分裂の意味から区別します。

単細胞生物と多細胞生物の一細胞を区別しよう

このレッスンの役割

ここまで、単細胞生物が一つの細胞で移動・栄養・物質交換・増殖を行うことを学びました。今回は、よく似た言葉で起こる混同を直します。

このレッスンの仕事は、「一つの細胞を見た」ことと「単細胞生物である」ことを区別し、一細胞が一個体として独立しているか、多細胞生物の一部として役割分担しているかを判断することです。

知る・理解する

単細胞生物と多細胞生物の違いは、顕微鏡の視野に何個見えたかではありません。一個体がいくつの細胞からできているか、そして一つの細胞が個体全体の生命活動を担うかで決まります。

比較 単細胞生物 多細胞生物の一細胞
細胞と個体 一細胞が一個体 一細胞は個体の一部
生命活動 一細胞で必要な仕事を行う 他の細胞と役割分担する
分裂の意味 多くの場合、個体数が増える 個体の成長・修復などにつながる
アメーバ、ゾウリムシ、酵母 葉の細胞、筋肉の細胞、神経細胞

一細胞が一個体か個体の一部かを区別する単細胞生物の一細胞は一個体、多細胞生物の一細胞は役割分担する一部であることを示す図一細胞 = 一個体一細胞 = 個体の一部移動・栄養・増殖を一細胞で単細胞生物細胞ごとに役割分担多細胞生物

単細胞生物を「単純な生物」と言い切るのも適切ではありません。一つの細胞の中で、多細胞生物なら多くの細胞や器官が分担する仕事をこなします。小さいことと、生命活動が単純であることは同じではありません。

例題で使う・転用する

例題:資料Aは培養液中の一細胞が自力で移動し、食物を取り込み、分裂後に二つが別々に生活しました。資料Bは人の筋肉から取り出した一細胞で、収縮しましたが単独では長く生きず、個体へ増えませんでした。どちらが単細胞生物ですか。

Aでは一細胞が個体として移動・栄養・増殖を行っています。Bは一つの働きを担当する人の体の一部です。

答え:Aが単細胞生物です。Bは多細胞生物である人の一細胞です。

転用:酵母は集まって見えることがありますが、一個一個の細胞が個体として増殖するため単細胞生物です。反対に、葉の表皮をばらばらにして一細胞ずつ見ても、もとの植物が多細胞生物であることは変わりません。

よくある間違いを直す

誤り1:「視野に一個なら単細胞、集団なら多細胞」
集まって暮らす単細胞生物もいます。個体と細胞の関係で判断します。

誤り2:「一細胞を取り出したら単細胞生物になる」
多細胞生物の細胞は、取り出しても個体全体へ変わりません。もとの役割と生活単位を見ます。

誤り3:「単細胞生物は構造も働きも単純」
一細胞で複数の生命活動を行うため、内部では多くのしくみが協力しています。

理解チェックと次の一歩

確認1:区別の決め手は何?一細胞が一個体として生命活動を行うか、それとも多細胞生物の個体の一部として役割分担するかです。
確認2:集団で見える酵母を多細胞生物と決めてよい?決められません。一個一個の細胞が個体として増殖するなら、集まっていても単細胞生物です。
確認3:多細胞生物の一細胞が分裂する意味は?多くの場合、個体の成長や修復につながります。単細胞生物のように、そのまま独立した個体が増えたとは限りません。

一細胞と一個体の関係から、二つを根拠付きで区別できれば完了です。次は、未知の観察資料を統合して、単細胞生物の生活を説明します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。