同じ働きの細胞が集まる利点を説明しよう
このレッスンの役割
ここまでに、動物と植物の組織を形・配置・働きで比べました。今回は「なぜ細胞は集まるのか」を、単に数が増えるからではなく、集まり方によって新しく可能になる働きから説明します。
完成の目安は、形と配置を原因、組織全体の働きを結果として、具体例を一つ説明できることです。
知る・理解する
一個の細胞にも働きがあります。しかし、多数の細胞が同じ向きや位置に並ぶと、一個では難しい仕事を続けて行えます。
| 集まり方 | 組織全体で得られる利点 | 例 |
|---|---|---|
| すき間なく面になる | 広い範囲を切れ目なくおおう | 表面を守る細胞 |
| 同じ向きに束になる | 小さな力を同じ向きに重ねる | 筋組織 |
| 端と端がつながる | 長い距離を通して運ぶ | 植物の水の通り道 |
| 枝分かれしてつながる | 多くの場所から情報を集めて伝える | 神経組織 |
細胞が多いだけでは十分ではありません。筋細胞がばらばらの方向へ縮めば、力は打ち消し合います。同じ向きに並ぶ配置があるから、組織としてまとまった力になります。
例題で使う・転用する
二つの細胞集団AとBを比べます。Aでは、細長い細胞がすべて左から右へ並んでいます。Bでは、同じ細胞がさまざまな向きに並んでいます。一個の細胞が出す力が同じなら、右向きの大きな力を出しやすいのはAです。
理由は、Aでは一個ずつの力が同じ向きに加わるからです。Bでは向きがそろわず、右向き以外の成分も生まれます。「細胞数が同じでも、配置によって組織の働きが変わる」と転用できます。
植物の細胞列でも同じ考え方を使えます。短い管が一つだけでは遠くへ水を運べませんが、端と端が連続すれば、長い通り道になります。
よくある間違いを直す
「細胞が多いほど必ず優れた組織になる」は誤りです。数だけでなく、向き、接し方、役割のそろい方が必要です。
「組織では各細胞が独立して同じ仕事をするだけ」も不十分です。細胞の働きが重なり、連続することで、面・束・通り道など、集まり全体の働きが生まれます。
目的だけで説明せず、「この仕事が必要だから集まった」と書くのではなく、「この配置なので、この結果が生じる」と観察できる因果で書きます。
理解チェックと次の一歩
確認1:同じ数の筋細胞でも、向きがそろうことが大切なのはなぜ?
一個ずつの縮む力が同じ向きに重なり、組織全体としてまとまった力になるからです。確認2:細胞が面状に並ぶと何ができる?
広い範囲を切れ目なくおおい、内外を分けて守ることができます。確認3:短い細胞が遠くまで物質を運ぶには、どんな配置が必要?
細胞が端と端で連続し、長い通り道をつくる配置が必要です。次は、顕微鏡像を見て「ただ近くにある細胞」と「組織」を区別します。今回学んだ配置と全体の働きが、判断の理由になります。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。