LESSON 01

細胞から組織へ

同じ働きの細胞が集まる利点を説明しよう

「細胞から組織へ」第4段階。細胞の配置が組織全体の働きを生む理由を説明します。

同じ働きの細胞が集まる利点を説明しよう

このレッスンの役割

ここまでに、動物と植物の組織を形・配置・働きで比べました。今回は「なぜ細胞は集まるのか」を、単に数が増えるからではなく、集まり方によって新しく可能になる働きから説明します。

完成の目安は、形と配置を原因、組織全体の働きを結果として、具体例を一つ説明できることです。

知る・理解する

一個の細胞にも働きがあります。しかし、多数の細胞が同じ向きや位置に並ぶと、一個では難しい仕事を続けて行えます。

集まり方 組織全体で得られる利点
すき間なく面になる 広い範囲を切れ目なくおおう 表面を守る細胞
同じ向きに束になる 小さな力を同じ向きに重ねる 筋組織
端と端がつながる 長い距離を通して運ぶ 植物の水の通り道
枝分かれしてつながる 多くの場所から情報を集めて伝える 神経組織

細胞一個の小さな働きが組織全体の働きになる複数の細長い細胞が同じ向きに縮み、一個より大きなまとまった力を生む様子同じ向きに並ぶ力が同じ方向に重なる

細胞が多いだけでは十分ではありません。筋細胞がばらばらの方向へ縮めば、力は打ち消し合います。同じ向きに並ぶ配置があるから、組織としてまとまった力になります。

例題で使う・転用する

二つの細胞集団AとBを比べます。Aでは、細長い細胞がすべて左から右へ並んでいます。Bでは、同じ細胞がさまざまな向きに並んでいます。一個の細胞が出す力が同じなら、右向きの大きな力を出しやすいのはAです。

理由は、Aでは一個ずつの力が同じ向きに加わるからです。Bでは向きがそろわず、右向き以外の成分も生まれます。「細胞数が同じでも、配置によって組織の働きが変わる」と転用できます。

植物の細胞列でも同じ考え方を使えます。短い管が一つだけでは遠くへ水を運べませんが、端と端が連続すれば、長い通り道になります。

よくある間違いを直す

「細胞が多いほど必ず優れた組織になる」は誤りです。数だけでなく、向き、接し方、役割のそろい方が必要です。

「組織では各細胞が独立して同じ仕事をするだけ」も不十分です。細胞の働きが重なり、連続することで、面・束・通り道など、集まり全体の働きが生まれます。

目的だけで説明せず、「この仕事が必要だから集まった」と書くのではなく、「この配置なので、この結果が生じる」と観察できる因果で書きます。

理解チェックと次の一歩

確認1:同じ数の筋細胞でも、向きがそろうことが大切なのはなぜ?一個ずつの縮む力が同じ向きに重なり、組織全体としてまとまった力になるからです。
確認2:細胞が面状に並ぶと何ができる?広い範囲を切れ目なくおおい、内外を分けて守ることができます。
確認3:短い細胞が遠くまで物質を運ぶには、どんな配置が必要?細胞が端と端で連続し、長い通り道をつくる配置が必要です。

次は、顕微鏡像を見て「ただ近くにある細胞」と「組織」を区別します。今回学んだ配置と全体の働きが、判断の理由になります。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。