身近な生物の体を拡大して細胞の集まりを見つけよう
このレッスンの役割
ここは「細胞と生物の体」コース最初のセクション「生物の体をつくる基本単位」の1本目です。前のコースで身につけた「見えた事実を記録する力」を使い、肉眼では一続きに見える体も、拡大すると小さな単位の集まりだと見抜きます。
今日のゴールは、顕微鏡写真の繰り返す区画を見つけ、「生物の体は細胞からできている」と観察事実を根拠に説明することです。顕微鏡の詳しい操作は次のセクションで扱うので、今は見え方の変化に集中します。
知る・理解する
タマネギの表面は肉眼では薄い一枚の膜に見えます。しかし顕微鏡で拡大すると、細長い区画が並び、それぞれに中身があります。この一つ一つが細胞です。ヒトのほおの内側から取った試料にも、形は違っても、一つずつ区切られた細胞が見えます。
細胞を「空っぽの小部屋」と考えるのは不十分です。区切りの内側には、生きるための働きを行う中身があります。また、写真は薄く切った試料や表面を見ているので、実際の細胞は奥行きをもつ立体です。
例題で使う・転用する
顕微鏡写真Aには、境界で囲まれた細長い形が同じ向きに多数並んでいます。写真Bには、境界が分かりにくい不規則な形が散らばり、それぞれに染まった部分があります。
問「AとBから共通して言えることは何か。」
答えは「どちらも、一つずつ区切られた小さな単位が集まっている」です。形の違いより先に、繰り返す単位があるという共通点を見ます。この観察と、植物A・動物Bという情報を合わせると、植物も動物も細胞からできていると説明できます。
初めて見る写真では、①同じような境界が繰り返すか、②各区画に中身があるか、③スケールは肉眼より小さいか、の順に確認します。見やすい境界がなくても、染色された一つ一つのまとまりを探します。
よくある間違いを直す
「細胞は肉眼でいつも見える」は誤りです。卵のように大きな細胞もありますが、多くの細胞は顕微鏡を使わないと区別できません。
「格子模様なら必ず細胞」も危険です。人工物の網目にも繰り返しがあります。生物から取った試料であること、境界の内側に細胞の中身があること、倍率や染色の情報を合わせて判断します。
理解チェックと次の一歩
確認1:タマネギの表面を拡大すると何が見える?
境界で区切られた多数の小さな単位が並んで見えます。その一つ一つが細胞です。確認2:顕微鏡写真の細胞が平面に見えるのはなぜ?
薄くした試料や表面を一方向から見た像だからです。実際の細胞には奥行きがあります。確認3:未知の写真で細胞を探す最初の手がかりは?
同じような境界や中身をもつ小さな単位が繰り返しているかを見ます。生物の体を拡大し、細胞という共通の単位を見つけられました。次は植物と動物の細胞を比べ、違う形の奥にある共通点を整理します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。