未知の顕微鏡像から組織の働きを説明しよう
このレッスンの役割
このセクションの最後です。ここまでに、組織の定義、動物と植物の例、集まる利点、判断に必要な証拠を学びました。今回は、名前が書かれていない顕微鏡像から、形・配置・働きを自分で結びます。
完成の目安は、主張・証拠・理由の三段階で、未知の細胞のまとまりがどんな働きに向くか説明できることです。名称を当てることより、資料から言える範囲を守ることを優先します。
知る・理解する
未知資料は、次の順で読みます。
- 尺度を確認し、一個の細胞と細胞のまとまりを分ける。
- 細胞の形を言葉にする。平たい、細長い、枝分かれなど。
- 配置を言葉にする。層、束、列、網目など。
- 標本のどの位置か、どんな変化が起きたかを読む。
- 主張・証拠・理由で働きを説明する。
主張は答え、証拠は資料で実際に見えること、理由は証拠と答えを結ぶ科学の考えです。この三つを混ぜずに書くと、初見の資料でも説明が崩れません。
例題で使う・転用する
未知試料Xの外側には、平たい細胞が三層にわたり、すき間少なく並んでいました。内側には、細長い細胞が同じ方向に束をつくっていました。刺激を与えると、内側の束だけが短くなりました。
外側についての主張は「内側を守る組織だと考えられる」です。証拠は「平たい細胞が外側をすき間少なくおおう」です。理由は「連続した層は内外を分け、物質や刺激が直接入りにくくする」からです。
内側についての主張は「縮んで力を出す組織だと考えられる」です。証拠は「細長い細胞が同じ方向に束をつくり、刺激で短くなった」です。理由は「同じ方向の収縮が重なると、まとまった力になる」からです。
この資料から二種類の組織があるとは説明できます。しかし、それらがどの器官をつくるかは、全体の位置や他の組織が示されていないので断定できません。
よくある間違いを直す
「細長いから筋組織」と一つの特徴だけで決めるのは早すぎます。束の向きや、実際に短くなる変化まで根拠にします。
見えていないことを補ってはいけません。器官名や生物名が資料にないなら、働きの推定までにとどめます。
また、一個の細胞の特徴を組織全体へ広げません。複数の場所で同じ配置が続くか、複数の細胞が同じ変化をするかを確かめます。
理解チェックと次の一歩
確認1:初見資料を読む五つの順序は?
尺度、細胞の形、配置、位置や変化、主張・証拠・理由の順です。確認2:平たい細胞が表面を切れ目なくおおう像から、どう説明する?
連続した層が内外を分けられるため、内部を守る働きに関わる組織だと説明します。確認3:二種類の組織が見えたら器官名まで断定できる?
必ずしもできません。全体の位置や他の構造がなければ、資料から言える働きの範囲にとどめます。次のセクションでは、異なる組織が組み合わさると何ができるのかを学びます。今回の「一つの組織の働きを根拠から説明する力」が、組織から器官へ進む土台になります。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。