LESSON 01

組織から器官・個体へ

器官どうしの物質の受け渡しで個体を保とう

「組織から器官・個体へ」第4段階。器官間の物質の流れから個体の生命活動を説明します。

器官どうしの物質の受け渡しで個体を保とう

このレッスンの役割

ここまでに、一つの器官の中で複数の組織が協力することを学びました。今回は、器官どうしが酸素・養分・不要物を受け渡し、一つの個体の生命活動を保つことを考えます。

完成の目安は、ある器官の働きが弱くなったとき、物質の流れをたどって別の器官や細胞への影響を説明できることです。

知る・理解する

人の体の細胞は、食べ物や空気から必要な物質を直接受け取るわけではありません。複数の器官を通る流れがあります。

  1. 消化に関わる器官が、食べ物を吸収できる小さな物質にする。
  2. 呼吸に関わる器官が、空気から酸素を取り入れる。
  3. 循環に関わる器官が、養分と酸素を各細胞へ運ぶ。
  4. 細胞で生じた二酸化炭素や不要物を運び、呼吸や排出に関わる器官へ渡す。

器官どうしが物質を受け渡して細胞を支える流れ消化器官から養分、呼吸器官から酸素が循環器官へ入り、細胞へ運ばれ、二酸化炭素と不要物が戻る消化に関わる器官養分呼吸に関わる器官酸素・二酸化炭素循環に関わる器官物質を運ぶ全身の細胞生命活動酸素・養分不要物

ここで重要なのは、器官が独立した部品ではなく、物質の流れでつながっていることです。一つの器官の変化は、その先で物質を受け取る細胞へ広がります。

例題で使う・転用する

呼吸に関わる器官から血液へ取り込まれる酸素が少なくなったとします。心臓は同じように動いていても、全身の細胞へ届く酸素は少なくなります。

説明は「酸素の取り込み低下→血液中の酸素低下→循環によって運ばれる酸素低下→細胞の生命活動への影響」と段階を飛ばさずに書きます。

植物でも、根が取り入れた水を茎の通り道が葉へ運び、葉でつくられた養分を別の部分へ運びます。根・茎・葉という器官が物質の流れでつながり、一個体を保ちます。

よくある間違いを直す

「食べ物がそのまま全身の細胞へ行く」は誤りです。消化で小さな物質にされ、吸収され、循環によって運ばれます。

「心臓がすべての物質をつくる」も誤りです。心臓は血液を送り出す器官であり、養分や酸素は別の器官から受け取ります。

一つの器官だけを見て個体全体を説明しないようにします。「どこで取り入れるか」「何で運ぶか」「どこで使うか」をつなぎます。

理解チェックと次の一歩

確認1:酸素はどの流れで全身の細胞へ届く?呼吸に関わる器官で取り入れられ、循環に関わる器官によって血液とともに全身の細胞へ運ばれます。
確認2:胃の働きが弱ると全身に影響しうるのはなぜ?養分として吸収できる物質が減り、循環によって各細胞へ運ばれる養分も減る可能性があるからです。
確認3:植物で根・茎・葉が協力する例は?根が水を取り入れ、茎が葉へ運び、葉が光合成でつくった養分をほかの部分へ渡します。

次は、細胞・組織・器官・個体の主語を混同した説明を見つけ、正しい階層に直します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。