一つの細胞で栄養を得て物質交換するしくみを考えよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、単細胞生物が種類ごとのつくりを使って移動することを学びました。移動するだけでは生き続けられません。今回は、栄養を得て外部と物質を交換する仕事を扱います。
このレッスンの仕事は、単細胞生物がすべて同じ方法で「食べる」と思わず、取り込み・光合成・吸収という違いを比べ、細胞膜が個体全体の物質交換の境界になることを理解することです。
知る・理解する
単細胞生物は、一細胞の表面を通して外部と接します。酸素や二酸化炭素、不要な物質などの交換は、細胞膜を通して行われます。栄養を得る方法は種類によって違います。
| 例 | 主な栄養の得方 | 観察の手がかり |
|---|---|---|
| アメーバ | 仮足で食物を包み込む | 食物の周りへ仮足が伸びる |
| ゾウリムシ | 繊毛の動きで食物を細胞口へ運び、取り込む | 食胞が内部を移動する |
| ミドリムシ | 葉緑体で光合成を行う | 緑色の葉緑体、光条件との関係 |
| 酵母 | 周囲の水に溶けた養分を取り入れる | 固形物を包まず増殖する |
細胞内へ取り込まれた食物は、食胞という袋状の部分で消化されます。消化とは、大きな物質を細胞が利用できる小さな物質へ変えることです。不要になった物質は外へ出されます。
例題で使う・転用する
例題:未知の単細胞生物Aは、暗所では数が増えにくく、明所では二酸化炭素を取り込み酸素を出しました。細胞内には緑色の粒があります。Aの栄養の得方を説明しましょう。
緑色の粒は葉緑体の候補です。明所で二酸化炭素を取り込み酸素を出す変化は、光合成の証拠になります。
答え:Aは葉緑体をもち、光のある条件で光合成を行って養分をつくると考えられる。
転用:暗所で増えにくいことだけでは光合成と断定できません。温度や食物量が違った可能性もあります。明暗以外をそろえ、気体の変化や葉緑体の存在を組み合わせると説明が強くなります。
よくある間違いを直す
誤り1:「単細胞生物はすべて食物を丸のみする」
アメーバの取り込み、ミドリムシの光合成、酵母の吸収など方法は多様です。
誤り2:「一細胞なので外部との物質交換は不要」
生命活動には物質が必要です。一細胞の表面である細胞膜を通して外部と交換します。
誤り3:「食胞は食物そのもの」
食胞は取り込んだ食物を包み、消化する袋状の部分です。
理解チェックと次の一歩
確認1:アメーバ・ゾウリムシ・ミドリムシの栄養の得方は?
アメーバは仮足で包み込み、ゾウリムシは繊毛で細胞口へ運んで取り込み、ミドリムシは葉緑体で光合成を行います。確認2:単細胞生物で細胞膜が個体の生活に重要なのはなぜ?
一細胞の境界が個体全体の境界であり、必要な物質の取り込みや不要な物質の排出に関わるからです。確認3:緑色の粒と明所での酸素発生から何を推論できる?
緑色の粒は葉緑体の候補で、光のある条件で光合成を行うことが支持されます。条件がそろっているかも確認します。栄養の得方の違いと、細胞膜を通した共通の物質交換を説明できれば完了です。次は、一細胞の分裂がそのまま個体数の増加になることを、表とグラフで確かめます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。