LESSON 01

細胞から組織へ

動物の組織を形と働きから見分けよう

「細胞から組織へ」第2段階。上皮・筋・神経の組織を形と働きから見分けます。

動物の組織を形と働きから見分けよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、似た形・規則的な配置・共通する働きが組織を見分ける手がかりになると学びました。今回は動物の三つの例を比べ、像の特徴から働きを推定します。

完成の目安は、名前の暗記だけでなく「この形と並び方だから、この働きに向いている」と説明できることです。色は染色方法で変わるため、色より形と配置を優先して見ます。

知る・理解する

動物の体には、異なる仕事を受け持つ組織があります。ここでは代表例として、上皮組織、筋組織、神経組織を比べます。

組織 像で見える特徴 主な働きとのつながり
上皮組織 平たい細胞などがすき間少なく層になる 表面や内側をおおい、物質の出入りを調整する
筋組織 細長い細胞が同じ方向に束になる 同じ方向へ縮み、まとまった力を出す
神経組織 長く伸びた部分をもつ細胞がつながる 離れた場所へ刺激による情報を伝える

動物の三つの組織の形と働き上皮組織は層、筋組織は同じ向きの束、神経組織は長いつながりとして示す上皮組織層でおおう筋組織束で縮む神経組織つないで伝える

この図は実物の色や大きさを再現したものではありません。比較したいのは、層・束・長いつながりという配置です。

例題で使う・転用する

資料Aでは、細長い細胞がほぼ平行に並び、刺激を与えると全体の長さが短くなりました。どの組織だと考えられるでしょうか。

「細長い」は形、「平行に並ぶ」は配置、「全体が短くなる」は働きの証拠です。細胞が同じ方向へ縮むことでまとまった力を出すため、筋組織だと考えられます。

資料Bでは、細胞から細い部分が長く伸び、刺激の後に離れた場所で短時間の変化が記録されました。長いつくりが場所と場所をつなぎ、情報を運ぶと考えられるので、神経組織の可能性が高いと推定できます。

よくある間違いを直す

組織を色だけで決めてはいけません。顕微鏡標本の色は、染色液や撮影条件でも変わります。「赤いから筋組織」ではなく、細長い細胞の束と収縮を根拠にします。

一個の細胞の形だけでも断定しません。似た細胞がどのように続き、集まり全体が何をするかまで見ます。

上皮組織を「皮膚だけ」と決めつけるのも誤りです。体の外側だけでなく、体内の管や空間の内側をおおう部分にも見られます。

理解チェックと次の一歩

確認1:細長い細胞が同じ向きに束をつくる利点は?同じ方向へ縮む力が重なり、まとまった大きな力を出しやすくなります。
確認2:表面をすき間なくおおう像から推定しやすい働きは?内外を分けて守ることや、物質の出入りを調整する働きです。
確認3:色だけで組織名を決めてよい?よくありません。染色条件を確認し、形・配置・働きの証拠を組み合わせます。

次は植物の組織です。同じ三観点を使いながら、動物とは違う細胞壁や葉緑体のある細胞が、どのように並ぶかを調べます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。