動物の組織を形と働きから見分けよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、似た形・規則的な配置・共通する働きが組織を見分ける手がかりになると学びました。今回は動物の三つの例を比べ、像の特徴から働きを推定します。
完成の目安は、名前の暗記だけでなく「この形と並び方だから、この働きに向いている」と説明できることです。色は染色方法で変わるため、色より形と配置を優先して見ます。
知る・理解する
動物の体には、異なる仕事を受け持つ組織があります。ここでは代表例として、上皮組織、筋組織、神経組織を比べます。
| 組織 | 像で見える特徴 | 主な働きとのつながり |
|---|---|---|
| 上皮組織 | 平たい細胞などがすき間少なく層になる | 表面や内側をおおい、物質の出入りを調整する |
| 筋組織 | 細長い細胞が同じ方向に束になる | 同じ方向へ縮み、まとまった力を出す |
| 神経組織 | 長く伸びた部分をもつ細胞がつながる | 離れた場所へ刺激による情報を伝える |
この図は実物の色や大きさを再現したものではありません。比較したいのは、層・束・長いつながりという配置です。
例題で使う・転用する
資料Aでは、細長い細胞がほぼ平行に並び、刺激を与えると全体の長さが短くなりました。どの組織だと考えられるでしょうか。
「細長い」は形、「平行に並ぶ」は配置、「全体が短くなる」は働きの証拠です。細胞が同じ方向へ縮むことでまとまった力を出すため、筋組織だと考えられます。
資料Bでは、細胞から細い部分が長く伸び、刺激の後に離れた場所で短時間の変化が記録されました。長いつくりが場所と場所をつなぎ、情報を運ぶと考えられるので、神経組織の可能性が高いと推定できます。
よくある間違いを直す
組織を色だけで決めてはいけません。顕微鏡標本の色は、染色液や撮影条件でも変わります。「赤いから筋組織」ではなく、細長い細胞の束と収縮を根拠にします。
一個の細胞の形だけでも断定しません。似た細胞がどのように続き、集まり全体が何をするかまで見ます。
上皮組織を「皮膚だけ」と決めつけるのも誤りです。体の外側だけでなく、体内の管や空間の内側をおおう部分にも見られます。
理解チェックと次の一歩
確認1:細長い細胞が同じ向きに束をつくる利点は?
同じ方向へ縮む力が重なり、まとまった大きな力を出しやすくなります。確認2:表面をすき間なくおおう像から推定しやすい働きは?
内外を分けて守ることや、物質の出入りを調整する働きです。確認3:色だけで組織名を決めてよい?
よくありません。染色条件を確認し、形・配置・働きの証拠を組み合わせます。次は植物の組織です。同じ三観点を使いながら、動物とは違う細胞壁や葉緑体のある細胞が、どのように並ぶかを調べます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。