接眼レンズと対物レンズから総合倍率を求めよう
このレッスンの役割
前のセクションでは、細胞の形を比べるときにスケールが必要だと学びました。今回は、顕微鏡が標本を何倍の像として見せているかを表す総合倍率を理解します。
完成の目安は、接眼レンズと対物レンズの倍率から総合倍率を計算し、その数が実物ではなく像の拡大を表すと説明できることです。
知る・理解する
光学顕微鏡では、対物レンズがつくった像を、接眼レンズでもう一度拡大して見ます。そのため、二つの倍率は足すのではなく、かけます。
総合倍率 = 接眼レンズの倍率 × 対物レンズの倍率
たとえば、接眼レンズが10倍、対物レンズが40倍なら、総合倍率は次の通りです。
10 × 40 = 400倍
400倍とは、長さで見た像が実物の約400倍に拡大されて見えるという意味です。標本の細胞そのものが400倍に成長したわけではありません。
例題で使う・転用する
接眼レンズ15倍、対物レンズ20倍のとき、総合倍率を求めます。
最初に二つのレンズ倍率を確認します。総合倍率は積なので、15 × 20 = 300倍です。
逆に、総合倍率が600倍で、接眼レンズが15倍なら、対物レンズは600 ÷ 15 = 40倍です。「総合=接眼×対物」のどの数が未知かを確認すれば、逆算できます。
よくある間違いを直す
10倍と40倍を足して50倍とするのは誤りです。対物レンズで40倍になった像の一辺を、接眼レンズがさらに10倍にするため、40×10です。
「400倍なら細胞の実寸も400倍」は誤りです。大きくなるのは見える像です。細胞の実寸は標本の中で変わりません。
レンズに書かれた数字の単位はmmではありません。10×や40×の「×」は倍率を示します。
理解チェックと次の一歩
確認1:接眼10倍、対物4倍の総合倍率は?
10×4=40倍です。確認2:総合倍率400倍、対物40倍なら接眼倍率は?
400÷40=10倍です。確認3:倍率を上げると細胞そのものが大きくなる?
なりません。見える像が大きくなるだけで、標本中の細胞の実寸は変わりません。次は、倍率を上げると見える範囲がどう変わるかを、視野直径との反比例で計算します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。