LESSON 01

多くの細胞でできた生物

成長を細胞の数と大きさの変化から説明しよう

多細胞生物の成長を、細胞分裂による細胞数の増加と一細胞の大きさに分けて説明します。

成長を細胞の数と大きさの変化から説明しよう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、多数の細胞が一個体をつくることを学びました。では、小さな子どもが大人へ、芽が大きな植物へ成長するとき、体の細胞はただ巨大になるのでしょうか。

このレッスンの仕事は、成長を「細胞が大きくなるだけ」と考えず、細胞分裂による細胞数の増加を中心に、細胞の大きさの変化も分けて説明することです。

知る・理解する

多細胞生物が成長するとき、細胞は分裂して数を増やします。できた細胞が大きくなり、役割に合う状態へ変化することもあります。体が大きくなる主な理由は、細胞一個が体と同じ割合で巨大化することではなく、細胞数が増えることです。

多細胞生物の成長と細胞数の増加同程度の大きさの細胞が分裂で増え、組織全体が大きくなる様子細胞数が少ない分裂して増える多数の細胞で体が成長

資料を読むときは、個体の大きさ、細胞数、一細胞の平均的な大きさを別々に見ます。

段階 個体の長さ 細胞数の相対値 一細胞の平均直径
幼い時期 2 cm 1 20 μm
成長後 10 cm 120 22 μm

この例では個体は5倍、細胞数は大きく増えていますが、一細胞の直径はほぼ同じです。したがって、成長は主に細胞数の増加によると判断できます。

例題で使う・転用する

例題:植物Aでは、茎の長さが3倍になった間に、細胞数は約8倍、細胞の平均的な長さは約1.2倍になりました。成長の主な要因を説明しましょう。

個体・細胞数・一細胞の大きさを混ぜずに比較します。細胞数の増加が8倍と大きく、一細胞の長さの増加は1.2倍です。

答え:細胞一個の大きさも少し増えたが、細胞分裂によって細胞数が大きく増えたことが、茎の成長の主な要因だと考えられる。

転用:人の傷がふさがるときも、周囲の細胞が分裂して数を増やすことが修復に関わります。ただし成長や修復では、細胞数だけでなく、細胞が役割に合う状態へ変化することも大切です。

よくある間違いを直す

誤り1:「体が10倍になれば、一細胞も10倍」
多くの場合、細胞数が増えます。個体の大きさと一細胞の大きさを別の列で見ます。

誤り2:「多細胞生物の細胞分裂で個体数が増える」
通常は同じ個体の細胞数が増え、成長や修復につながります。

誤り3:「細胞数が増えれば、すべて同じ細胞のままでよい」
個体の中では、細胞が異なる役割を受け持つようになります。次のレッスンで扱います。

理解チェックと次の一歩

確認1:多細胞生物の成長で細胞分裂は何を増やす?同じ個体をつくる細胞の数を増やし、体の成長や修復につながります。
確認2:個体が大きくなった原因をデータから読むには何を分ける?個体全体の大きさ、細胞数、一細胞の大きさを分けて比べます。
確認3:細胞数8倍、平均細胞長1.2倍なら何が主な要因?細胞数の増加が主な要因です。一細胞の大きさも少し寄与したと説明できます。

成長を細胞数と細胞サイズに分解して説明できれば完了です。次は、増えた細胞が同じ仕事だけをせず、異なる役割を受け持つことを学びます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。