成長を細胞の数と大きさの変化から説明しよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、多数の細胞が一個体をつくることを学びました。では、小さな子どもが大人へ、芽が大きな植物へ成長するとき、体の細胞はただ巨大になるのでしょうか。
このレッスンの仕事は、成長を「細胞が大きくなるだけ」と考えず、細胞分裂による細胞数の増加を中心に、細胞の大きさの変化も分けて説明することです。
知る・理解する
多細胞生物が成長するとき、細胞は分裂して数を増やします。できた細胞が大きくなり、役割に合う状態へ変化することもあります。体が大きくなる主な理由は、細胞一個が体と同じ割合で巨大化することではなく、細胞数が増えることです。
資料を読むときは、個体の大きさ、細胞数、一細胞の平均的な大きさを別々に見ます。
| 段階 | 個体の長さ | 細胞数の相対値 | 一細胞の平均直径 |
|---|---|---|---|
| 幼い時期 | 2 cm | 1 | 20 μm |
| 成長後 | 10 cm | 120 | 22 μm |
この例では個体は5倍、細胞数は大きく増えていますが、一細胞の直径はほぼ同じです。したがって、成長は主に細胞数の増加によると判断できます。
例題で使う・転用する
例題:植物Aでは、茎の長さが3倍になった間に、細胞数は約8倍、細胞の平均的な長さは約1.2倍になりました。成長の主な要因を説明しましょう。
個体・細胞数・一細胞の大きさを混ぜずに比較します。細胞数の増加が8倍と大きく、一細胞の長さの増加は1.2倍です。
答え:細胞一個の大きさも少し増えたが、細胞分裂によって細胞数が大きく増えたことが、茎の成長の主な要因だと考えられる。
転用:人の傷がふさがるときも、周囲の細胞が分裂して数を増やすことが修復に関わります。ただし成長や修復では、細胞数だけでなく、細胞が役割に合う状態へ変化することも大切です。
よくある間違いを直す
誤り1:「体が10倍になれば、一細胞も10倍」
多くの場合、細胞数が増えます。個体の大きさと一細胞の大きさを別の列で見ます。
誤り2:「多細胞生物の細胞分裂で個体数が増える」
通常は同じ個体の細胞数が増え、成長や修復につながります。
誤り3:「細胞数が増えれば、すべて同じ細胞のままでよい」
個体の中では、細胞が異なる役割を受け持つようになります。次のレッスンで扱います。
理解チェックと次の一歩
確認1:多細胞生物の成長で細胞分裂は何を増やす?
同じ個体をつくる細胞の数を増やし、体の成長や修復につながります。確認2:個体が大きくなった原因をデータから読むには何を分ける?
個体全体の大きさ、細胞数、一細胞の大きさを分けて比べます。確認3:細胞数8倍、平均細胞長1.2倍なら何が主な要因?
細胞数の増加が主な要因です。一細胞の大きさも少し寄与したと説明できます。成長を細胞数と細胞サイズに分解して説明できれば完了です。次は、増えた細胞が同じ仕事だけをせず、異なる役割を受け持つことを学びます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。