LESSON 01

一個の細胞で生きる生物

細胞分裂による増殖を個体数データから読もう

単細胞生物では一細胞の分裂が個体数増加になることを、倍加する表と実測値から読みます。

細胞分裂による増殖を個体数データから読もう

このレッスンの役割

前のレッスンでは、一つの細胞が栄養を得て物質交換する方法を比べました。栄養を使って成長した単細胞生物は、細胞分裂によって増えることがあります。

このレッスンの仕事は、多細胞生物の「細胞数が増えて体が成長する」場合と区別し、一つの単細胞生物が二つへ分かれると個体数が増えることを、時系列の像・表・グラフから説明することです。

知る・理解する

単細胞生物では、一つの細胞が一個体です。その細胞が分裂して二つになると、二個体になります。さらにそれぞれが分裂すれば四個体です。

条件がよく、すべての個体が同じ間隔で一回ずつ分裂すると仮定した場合、個体数は次のように変わります。

分裂回数 個体数
0 1
1 2
2 4
3 8
4 16

これは毎回「2個ずつ足す」のではなく、「今ある個体がそれぞれ二つになる」ため、2倍ずつ増えます。

単細胞生物の分裂と個体数の増加一個体が二個体、四個体へ分裂して増える時系列図1個体2個体4個体分裂0回分裂1回分裂2回×2

ただし、自然界や培養液で2倍が永遠に続くわけではありません。食物や空間が不足したり、不要物が増えたり、温度が合わなかったりすると、分裂する個体の割合や速さが下がります。表の増え方は「条件がそろう間」のモデルです。

例題で使う・転用する

例題:ある単細胞生物は30分ごとにすべて一回分裂するとします。最初に3個体いたとき、90分後は何個体ですか。

90分÷30分=3回分裂します。

  • 0回:3個体
  • 1回:6個体
  • 2回:12個体
  • 3回:24個体

答えは24個体です。3+2+2+2とはしません。各回で全体が2倍になります。

転用:実際の観察で90分後が18個体だった場合、「計算ミス」と決めません。すべての個体が分裂したとは限らず、分裂間隔の個体差、温度、栄養、観察漏れなどを検討します。理論値と実測値の違いも情報です。

よくある間違いを直す

誤り1:「一細胞が二細胞になったので、一個体の体が大きくなった」
単細胞生物では一細胞が一個体です。分裂後は二個体になったと数えます。

誤り2:「一回ごとに2個を足す」
今ある各個体が二つになる条件なので、全体を2倍します。

誤り3:「条件が同じなら永遠に倍増する」
食物・空間・温度などが制限となり、増殖速度は低下します。モデルの条件を確認します。

理解チェックと次の一歩

確認1:単細胞生物の細胞分裂はなぜ個体数増加になる?一つの細胞が一個体なので、その細胞が二つに分かれると二個体になるからです。
確認2:最初2個体が3回すべて分裂したら何個体?2→4→8→16なので16個体です。各回で2倍します。
確認3:実測値が理論的な倍増より少ないとき、何を考える?分裂間隔の個体差、栄養・空間・温度、個体の死亡、数え落としなどを考え、モデルの条件が実際に成立したか確認します。

一細胞の分裂と個体数の変化を、条件付きのモデルとして読めれば完了です。次は、単細胞生物と多細胞生物の一細胞を混同しないための比較を行います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。