LESSON 01

多くの細胞でできた生物

単細胞と多細胞の生き方を条件から比べよう

一細胞と個体の関係、役割分担、分裂の意味から、単細胞と多細胞の生き方を区別します。

単細胞と多細胞の生き方を条件から比べよう

このレッスンの役割

ここまで、多細胞生物では細胞数が増え、異なる働きを分担し、物質を受け渡して協力することを学びました。今回は前のセクションの単細胞生物と、同じ観点で比べます。

このレッスンの仕事は、「多細胞のほうが上」「小さいから単細胞」といった決めつけを直し、細胞と個体の関係、分裂の意味、役割分担という三つの条件から判断することです。

知る・理解する

単細胞と多細胞は、異なる生き方です。どちらにも、それぞれの条件で成り立つしくみがあります。

観点 単細胞生物 多細胞生物
一細胞と個体 一細胞が一個体 一細胞は個体の一部
仕事の担当 一細胞で一通り行う 多数の細胞で分担する
細胞分裂の意味 個体数増加になることが多い 個体の成長・修復になることが多い
細胞間の依存 一細胞内で完結 他の細胞との受け渡しへ依存
見た目 一個または集団 つながった多数の細胞

単細胞と多細胞の判断の三観点個体境界、仕事の担当、細胞分裂の意味を使って二つの生き方を比べる図単細胞多細胞一細胞で仕事を完結多数の細胞で分担・協力大きさや数だけでなく、細胞と個体の関係を読む

細胞が集まっているだけでは、多細胞生物とは限りません。酵母や細菌が集団をつくっても、一細胞ずつが個体として増えるなら単細胞生物です。反対に、多細胞生物から一細胞を取り出しても、その細胞が単細胞生物へ変わるわけではありません。

例題で使う・転用する

例題:資料Aでは、集まった細胞がそれぞれ同じ形で、分裂後に一細胞ずつ別の場所で増えました。資料Bでは、形の異なる細胞がつながり、一部が運搬、別の一部が運動を担当し、一種類を取り除くと全体の活動が低下しました。AとBを分類しましょう。

Aは集団に見えますが、一細胞ずつが個体として増え、役割分担の証拠がありません。Bは同じ個体内で異なる細胞が分担・依存しています。

答え:Aは単細胞生物の集団、Bは多細胞生物と考えられる。

転用:巨大な一細胞の生物があっても、細胞数の条件では単細胞生物です。小さい多細胞生物もいます。個体の大きさを細胞数の代わりにしません。

よくある間違いを直す

誤り1:「多細胞生物は単細胞生物より必ず優れている」
優劣ではなく、役割分担する生き方と、一細胞で完結する生き方の違いです。

誤り2:「細胞が固まっていれば多細胞生物」
同じ個体として役割分担し、互いに依存している証拠が必要です。

誤り3:「大きい生物は多細胞、小さい生物は単細胞」
大きさだけでは判断しません。一個体をつくる細胞数を見ます。

理解チェックと次の一歩

確認1:判断に使う三観点は?一細胞と個体の関係、仕事の役割分担、細胞分裂が個体数増加か個体成長か、です。
確認2:集団で見える酵母を多細胞生物と断定できないのはなぜ?一細胞ずつが個体として生活・増殖している可能性があり、役割分担と相互依存の証拠がないからです。
確認3:多細胞生物の一部を一細胞に分けたら単細胞生物になる?なりません。その細胞はもとの個体で役割分担していた一部で、一細胞だけで一個体の生活を完結しないからです。

大きさや見た目に頼らず、三条件で生き方を区別できれば完了です。次は初見の複数資料から、多細胞生物の成長・役割分担・協力を統合して説明します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。