細胞膜と細胞質が生命活動の場をつくるしくみを考えよう
このレッスンの役割
前のレッスンでは、細胞を複数の部分が協働するシステムとして見ました。今回は植物と動物の両方にある細胞膜と細胞質を取り出します。
このレッスンの仕事は、細胞膜を「ただの線」、細胞質を「何もない液体」と考えず、細胞膜が内外の境界と出入りをつくり、その内側の細胞質が生命活動の場になるという関係を説明することです。
知る・理解する
細胞が生き続けるには、内部の状態をある程度保ちながら、必要な物質を取り入れ、不要な物質を外へ出す必要があります。その境界になるのが細胞膜です。細胞膜は植物細胞にも動物細胞にもあります。
細胞膜の内側には細胞質があります。細胞質には水分だけでなく、生命活動に関わるさまざまなつくりや物質があり、物質がつくられたり分解されたりする活動が進みます。
この図は、「何でも自由に通る」という意味ではありません。細胞膜を通る物質や通り方には違いがあります。中学校ではまず、細胞膜が境界として物質の出入りに関わり、内部の状態を保つという考えをつかみます。
植物細胞では細胞壁が外側にあるため、細胞膜が見分けにくいことがあります。しかし、見えにくくても細胞膜は存在します。細胞壁は丈夫な外枠、細胞膜は内外を区切る境界です。
例題で使う・転用する
例題:ある細胞の細胞膜が大きく壊れ、内部の物質が外へ流れ出しました。その細胞が生命活動を続けにくくなる理由を説明しましょう。
- 細胞膜が壊れると、内外を区切れない。
- 必要な物質や内部の状態を保ちにくい。
- 細胞質で行われる生命活動の条件が崩れる。
答え:細胞膜が壊れると細胞の内外を区切れず、必要な物質や内部の状態を保てないため、細胞質で生命活動を続けにくくなる。
転用:塩分の高い液に植物細胞を入れると、細胞の内部が細胞壁から離れたように見えることがあります。このとき外側に残る丈夫な線が細胞壁、内側へ縮んだ境界が細胞膜を含む細胞の内部だと考えると、二つを区別できます。詳しい水の移動は別の学習で扱います。
よくある間違いを直す
誤り1:「植物細胞には細胞壁があるので細胞膜はない」
植物細胞には両方あります。細胞壁は細胞膜の外側です。
誤り2:「細胞質は細胞の中の空き場所」
細胞質は生命活動が行われる場で、さまざまな物質やつくりを含みます。
誤り3:「細胞膜はすべての物質を完全に止める壁」
細胞膜は内外を区切りつつ、物質の出入りにも関わります。閉じた箱ではありません。
理解チェックと次の一歩
確認1:細胞膜の二つの要点は?
細胞の内外を区切ることと、物質の出入りに関わることです。確認2:細胞質を「空き場所」と言えないのはなぜ?
細胞質には生命活動に関わるつくりや物質があり、物質の変化などさまざまな活動が行われるからです。確認3:細胞膜が壊れると細胞質の活動に何が起こる?
必要な物質や内部の状態を保ちにくくなり、細胞質で生命活動を進める条件が崩れます。「細胞膜が境界と出入りをつくる→内側の細胞質で活動が進む」と説明できれば完了です。次は、核が細胞の活動の調整と受け継がれる情報にどう関わるかを考えます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。