染色した像から核を一細胞ずつ対応させよう
このレッスンの役割
「動物細胞を観察しよう」6本の2本目です。薄く広げた口内上皮細胞は透明で、そのままでは境界や核が見えにくいことがあります。ここでは染色像を、一細胞ずつ区切って読みます。
今日のゴールは、濃く染まった部分をすぐ核と決めず、薄い細胞膜の境界の内側にあり、多くの細胞で一つずつ対応することを確かめて核を同定することです。
知る・理解する
動物細胞には丈夫な細胞壁がないため、植物細胞のような規則正しい枠が目立ちません。低倍率で薄く広がった場所を探し、倍率を上げると、不規則な形の境界と、その内側に染まった核が見えます。
染色液は核を新しく作るのではなく、もともとある核と周囲との明暗差を大きくします。染色が濃すぎると全体が暗くなり、逆に見分けにくくなることもあります。
核を見つける順序は、①細胞膜と考えられる境界をたどる、②一つの細胞の範囲を決める、③その内側の濃い部分を探す、④別の細胞でも同じ対応を確認する、です。
例題で使う・転用する
像には大きな薄い形が5個あり、それぞれの内側に濃い楕円が一つあります。さらに、視野の隅に非常に小さな黒点が多数あります。
大きな形の内側に一つずつ対応する楕円は核と考えられます。小さな黒点は、口内細菌、染色液の粒、汚れなど別の可能性があります。大きさと細胞との対応を確かめず、すべてを核とはしません。
よくある間違いを直す
「濃いものは全部核」は誤りです。核は細胞の内側に位置し、多くの細胞で同じ関係が見られます。
境界が薄いから細胞ではない、と判断するのも誤りです。動物細胞には細胞壁がなく、細胞膜は観察条件によって見えにくいことがあります。
理解チェックと次の一歩
確認1:核を同定する三つの手がかりは?
細胞の境界の内側にあること、濃く染まること、多くの細胞で一つずつ対応することです。確認2:染色液は核を作る?
作りません。もともとある核を目立たせます。確認3:非常に小さな黒点をすぐ核としてよい?
いけません。細胞との対応、大きさ、プレパラートを動かしたときの動きを確認します。細胞の範囲と対応させて核を見分けられました。次は細胞膜・細胞質・核を位置関係で一つの模式図にまとめます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。